研究概要 |
(1)内外の交渉研究の成果の渉猟の継続 初年度であった17年度に続けて、社会心理学,ゲーム理論を主軸とした交渉研究、アメリカロースクールにおける交渉教育に関する研究、その他交渉研究の内外の文献をさらに蒐集し検討を進めた。 (2)法科大学院生等の学生による交渉シミュレーションの継続 初年度に続けて、東京大学法科大学院の3年生(既習者コースおよび未習者コース)を対象として,交渉シミュレーションの実作とシミュレーションの実施を繰り返した。東京大学法学部の学生(3〜4年生)を対象として,交渉シミュレーションの実作とシミュレーションの実施,ならびにその結果の分析を行った。東京大学法科大学院の3年生の別の授業において、日米間の大規模な交渉シミュレーションの実作と実施を行った。 (3)交渉シミュレーションの多面的分析のさらなる発展 上記法科大学院ならびに法学部におけるシミュレーションの模様をビデオ等で記録し、社会心理学、戦略論、コミュニケーション論、ゲーム論、法社会学、法律学等の諸学問の学際的手法によって分析し、交渉スキル、とりわけ法的交渉のスキルの解明と、そこにおけるパーソナリティ特性の影響を解明する作業を続けた。 (4)交渉スキル評価手法の完成を目指す 初年度に続けて、交渉スキル評価のために、上記シミュレーション参加者には、パーソナリティに関する自己評価、交渉スキルに関する他者評価、第三者的評価、を記入してもらい、分析の対象とした。二年間の結果に基づいて、より客観的で包括的な評価手法の完成を目指した。 (5)法的交渉に即応したパーソナリティ特性測定尺度の開発 社会調査(層化ランダム抽出で800サンプル集)により交渉スキル評価とパースナリティの関連を調査した。クロンバックのアルファの検定によっても一定の信頼性のある尺度として利用可能であることも確認された。 (6)法的交渉エクスパートへの面接調査の継続 日々法的交渉に従事して法的交渉エクスパートとなっている弁護士,企業法務員,裁判官等への面接調査を継続した。
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