研究概要 |
(1)パースナリティと交渉スキルと交渉戦略に関して,続けているシミュレイション実験心理尺度調査,社会調査の最後の研究を行って締めくくりの成果を上げた.教材用のシミュレイション事例,パースナリティ測定用の心理尺度質問群,社会調査質問票結果を,教材の形に仕上げた(『法社会学の新世代』有斐閣,2009年,第13章). (2)上記(1)の成果を受けて,個々人の特性とパーソナリティ特性に即応した法的交渉の訓練・教育法を開発して提示できた。法科大学院における交渉教育のための理論的基礎を提案し、東京大学法科大学院において実施している. (3)本研究の成果を、2009年度Law&Society AssociationのAnnual Meetingにおいて発表することになっている. 成果の具体的内容としては、交渉パフォーマンス測定の項目を確定し、交渉者のパースナリティで交渉パフォーマンスと関連性の存在するものを特定して検証した。競争的達成動機、言語的攻撃性、内的他者意識、心理的負債感、社会的スキル、曖昧さに対する耐性、自己開示の受けやすさ(なごませ因子、共感因子)、自己充実的達成動機と交渉パフォーマンスの諸評価項目との間に有意な相関が検出された(実験室実験及び社会調査)。
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