研究課題/領域番号 |
17330026
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
空井 護 東北大学, 大学院・法学研究科, 助教授 (10242067)
|
研究分担者 |
平田 武 東北大学, 大学院・法学研究科, 教授 (90238361)
横田 正顕 東北大学, 大学院・法学研究科, 助教授 (30328992)
松浦 正孝 北海道大学, 大学院・法学研究科, 教授 (20222292)
中田 瑞穂 立教大学, 法学部, 助手 (70386506)
|
キーワード | 政治学 / 日本史 / 西洋史 / 戦間期 / セミ・ポリアーキー / 政治体制変動 |
研究概要 |
2005年度においては、各研究者が個別研究に着手するとともに、第1回全体研究会を8月に東北大学で開催し、個別研究を遂行する際に全員で共有しておくべき理論的分析枠組の検討を行った。そして、そこでのインテンシヴな討議の結果、(1)政治体制変動プロセスの分析に先だち、「セミ・ポリアーキー」という先行体制規定概念にさらなる精緻化を加える必要があり、(2)そのためには既存の諸理論を活用するとともに、ケースの多様性を確保したうえで、そこに共通する制度的特質を帰納的に抽出する作業も必要である、との知見が得られた。そこで(1)に関しては、研究代表者の空井を中心として「ポリアーキー」概念の再検討を、その提唱者であるR・ダールの議論にまで遡って本格的に進めることとなり、また(2)に関しては、その手始めとして12月に立教大学で第2回全体研究会を開催し、戦間期セミ・ポリアーキーの最重要国のひとつでありながら本研究メンバーが対象国としてカヴァーしきれていなかったルーマニアの政治体制につき、藤嶋亮氏(神奈川大学)から専門的知識の提供を受けた。なおこの間、各研究者はそれぞれ班内で調整を行いつつ、本格的な個別研究の準備作業として史資料の収集を進めた。すなわち東中欧班では、平田が2005年8〜9月にブタペシュトに赴き戦間期ハンガリー政治史関係史料を収集し、また中田は2006年3月にプラハにて1930年代後半のチェコスロヴァキア政治史関連史料を収集した。また南欧班の横田は、2006年の1月から3月にかけてマドリッドとリスボンにおいてスペイン・ポルトガル政治史関連の史資料の調査・収集にあたった。2006年度においては、個別研究のさらなる推進と併行して、精力的に全体研究会を開催して東中欧・南欧諸国の専門家に専門的知識の提供を求め、「セミ・ポリアーキー」体制およびその非民主化プロセスを理論モデル化する際に視野に収めるべきケースの多様化を図る予定である。
|