研究課題/領域番号 |
17330037
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研究機関 | 大東文化大学 |
研究代表者 |
黒柳 米司 大東文化大学, 法学部, 教授 (00186553)
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研究分担者 |
浅野 亮 同志社大学, 法学部, 教授 (10212490)
稲田 十一 専修大学, 経済学部, 教授 (50223219)
小笠原 高雪 山梨学院大学, 法学部, 教授 (50247467)
金子 芳樹 獨協大学, 外国語学部, 教授 (40233895)
菊池 努 青山学院大学, 国際政治経済学部, 教授 (50241146)
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キーワード | ASEANの再活性化 / 中国の台頭 / 東アジア共同体 |
研究概要 |
初年度(平成17年度)の研究実績は、概ね以下の四つの分野に大別できる。 第一は、科研費補助金事業として採択される前から研究分担者と継続してきた私的研究会の成果を踏まえつつ、今回の研究テーマにそった基本認識を『アジア地域秩序とASEANの挑戦』(明石書店)として刊行したこと。研究チームの全員が執筆に参加した同書は、今回の補助金研究の出発点であるとともに指針的位置を占める。 第二は、各研究分担者の問題意識を深化と新規情報の収集、および研究チーム全体の問題意識すりあわせを図るべくほぼ月例ペースで研究会を開催したこと。この過程で、「中国の台頭」・「東アジア共同体」・「ASEANの再活性化」というキーワードの重要性が再三確認されてきた。 第三は、研究会の過程で、本研究プロジェクトの最終成果物を英文で刊行することで合意、一定の準備的協議をする一方、各研究分担者はこの想定を念頭に置いて海外での資料収集・情報交換を含め、問題意識の深化に努めてきた。これが第2年度の主要課題となる。 そして第四は、研究成果の一端を研究チームの所属大学の学生諸君や同僚諸氏に対して紹介すべく、「ASEAN体験の継承から東アジア共同体へ」と題するシンポジウムを開催したこと。ちなみに、本シンポジウムで配布したレジュメおよび「バックグランド・ペーパー」は、各研究分担者が各自ゼミや講義で活用できるよう『中間報告書』としてとりまとめ、配布した。 こうした一連の研究活動を通じて、地域協力機構としてのASEANが過去38年間に積み上げてきた実績(域内諸国間の平和・友好・協力、地域的アイデンティティや規範の形成、広域アジア太平洋における重層的対話メカニズムの構築など)と、この地域に顕在化してきた新たな傾向(中国の台頭、日本の非経済分野での影響力増大、東アジア地域秩序への模索、 ASEAN再活性化の進展など)との相関関係を分析し理解することが本研究プロジェクトの意義であることを再確認した。
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