本研究の目的は以下の3点であった。 1. 規範に関して、人々の長期的関係から規範がどのように形成されるのかについて、長期的関係(ゲーム)の分析手段の一つである繰り返しゲーム理論を用いて、形成される規範とゲームの利得構造との関係を明らかにする。 2. カルテル・談合により被る経済厚生損失を旧来の短期的な側面からだけではなく、長期的な側面から調査・分析する。 3. カルテル・談合に規範が及ぼす影響を分析するとともに、欧米等でカルテル・談合の摘発に大きな成果を挙げ、我が国で独占禁止法改正時に盛り込まれる運びとなったリニエンシー制度の導入に関して、規範の違いに焦点を置き、その成果の違いを分析する。 本年度は研究データの分析を行うため、リサーチ・フェローを活用した。
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