研究課題/領域番号 |
17330043
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
経済学説・経済思想
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
岡部 洋實 北海道大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (10204017)
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研究分担者 |
田村 信一 北星学園大学, 経済学部, 副学長・教授 (40120886)
佐々木 憲介 北海道大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (50178646)
江頭 進 小樽商科大学, 商学部, 教授 (80292077)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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キーワード | 歴史学派 / 旧歴史学派 / 新歴史学派 / イギリス歴史学派 / 日本歴史学派 / 進化経済学 / 経済学方法論 |
研究概要 |
本研究は、(1)ドイツ歴史学派を、19世紀後半〜20世紀初の多様な立揚の総合として把握し、(2)イギリスにおける新古典派経済学形成期に歴史学派の果たした役割、(3)日本における経済学研究の定着後の独自性追究と歴史学派との関係を明らかにし、さらに、(4)歴史学派・オーストリア学派・マーシャル等の方法的関心の現代的可能性を、進化経済学の観点から評価することの4方向から進められた。 (1)については、「歴史学派」と総称されるドイツ経済学が、理論研究と歴史的経験的研究の位置付けや、社会科学観・資本主義観・社会主義観などに関して、世代間相違を含む多様性において理解される必要のあること、(2)については、古典派の代表J.S.ミルは、歴史的方法を認めたにもかかわらず、経済学原理に関してリカードウ派の立揚を堅持したために歴史学派の批判の対象となったが、ミルの社会改良主義的側面は歴史学派から高い評価を受けていたことが明らかにされた。(3)については、大正後期の、ドイツ歴史学派を参照先としていた社会政策学会の崩壊という学界の空白状況の下で、それまで自覚的に追究されてこなかった日本の経済社会の特殊性を、歴史研究を基礎に明らかにしようとする潮流が生れたことが明らかにされた。(4)については、19世紀末の「方法論争」に対する低い評価は、当事者たちが当時の知識論や統計学、生物学(進化論)などの発展を踏まえていた点を見逃していること、そこには現代進化経済学の主要論点が数多く含まれていることが明らかにされた。 研究代表者・分担者は、本研究の成果を、歴史学派のたんなる比較に留めることなく、これからの経済学の発展に寄与しうるものとして、研究・教育に生かす所存である。
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