研究概要 |
今年度も従来に引き続き,研究分担者が分析しているさまざまな種類の官庁統計の分析経過を報告するとともに,関連する問題に関して外部研究者を招いた討議を実施した. 1.新統計法と経済統計 2007年5月に統計法が全面改正されたことを背景として,統計作成機関の抱える問題を検討し,今後の総合的な利用に関わる論点を整理した.取り上げた主題の中には,地方統計組織・地域データ作成の現状と問題点,国の統計機構が抱える問題点と今後の展望,政府統計の二次的利用の問題などがある。 2.家計行動の分析 研究分担者,および連携研究者が分担して実施してきた研究の取りまとめとして,いくつかの報告を行った.その中には,「喫煙行動と居住地域:Tweedie分布モデルによる検証」,「数値計算による予備的貯蓄理論の検討」,「不安定雇用から安定雇用への参入:労働力調査パネル化した分析」などが含まれる. 3.統計調査とSNA 総合的な統計てあるSNAと,その作成基盤てある一次統計の関係について,いくつかの視点から検討を実施した.この分野では,統計作成機関,SNA推計機関の担当者とも意見交換を行った.取り上げた主題は「SNAにわける家計消費の推計に関わる諸問題」,「工業統計め生産動態統計とGDP推計」,「SNAと家計調査における貯蓄率の乖離:新統計の活用」などであり,「2008 SNAを巡る課題」として現時点の整理を試みた. 4その他の話題 本研究主題に関わる以下の課題についても,各分担者による報告と討論を実施した.主要な報告は「有限母集団における統計的汎関数の漸近正規性」,「全国物価統計調査商業統計調査の総合的利用」などである.
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