研究分担者 |
松島 斉 東京大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (00209545)
大塚 啓二郎 政策研究大学院大学, 政策研究科, 教授 (50145653)
中林 真幸 大阪大学, 大学院・経済学研究科, 准教授 (60302676)
橋野 知子 神戸大学, 大学院・経済学研究科, 准教授 (30305411)
黒崎 卓 一橋大学, 経済研究所, 教授 (90293159)
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研究概要 |
岡崎は中林と協力して,戦前日本の繊維企業の雇用契約に関する大規模な資料の収集を進め,その分析を開始するとともに,戦前期の日本企業のガバナンス構造を契約理論の観点から分析した論文を発表した。松島は,契約分析の基礎となる理論研究を行い,論文を発表した。大塚は,現代のサブサハラ以南のアフリカの土地売買市場について,編著書をまとめ,土地が希少化するとともに,より効率性の高い土地の配分を実現するために土地市場が急激に発展し始めている,土地の売買,貸借ともに,土地保有面積の大きい大農からそれが小さい小農に土地が移転される傾向が強い,すなわち,土地市場には土地の配分の効率性を高めるばかりではなくその公正な配分を高め,貧困の軽減に資する効果があるとう論点を提起した。黒崎は,現代のミャンマーの農家家計に関するマイクロデータを用いて,農家の政治的立場と作物の選択の関係に関する分析を行い,政治的に立場の弱い農家ほど不利な作物の作付けを余儀なくされているという結果を導いた。中林は,日本資本主義論争において山田盛太郎が示した戦前期の日本農業に関する見方が,アーサー,ルイス等の二重構造モデルに小作人のリスク回避性向を明示的に議論に組み込むことによってモデル化できることを示した。橋野は,羽二重生産の急増に伴って起こった粗製乱造問題に対応して,日本製品の評判が領事報告によって農商務省-府県-産地(同業組合)へと伝達され,府県と産地との連携のもとで,品質向上のための努力がなされたことを明らかにした。
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