• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2007 年度 実績報告書

東アジアの福祉システムの行方-企業内福祉と国家の社会保障制度

研究課題

研究課題/領域番号 17330049
研究機関東京大学

研究代表者

末廣 昭  東京大学, 社会科学研究所, 教授 (60196681)

研究分担者 中村 圭介  東京大学, 社会科学研究所, 教授 (30227889)
上村 泰裕  法政大学, 社会学部, 准教授 (70334266)
株本 千鶴  椙山女学園大学, 人間関係学部, 准教授 (50315735)
丸川 知雄  東京大学, 社会科学研究所, 教授 (40334263)
木崎 翠  横浜国立大学, 経済学部, 教授 (40260541)
キーワード経済政策 / 社会保障 / 企業内福祉 / 東アジア / 退職金
研究概要

本研究は東アジアの7力国,地域(中国,台湾,韓国,タイ,マレーシア,シンガポール,インドネシア)における国家の社会保障制度の仕組みと企業内福祉の実態を比較することを目的とする。社会保障制度は,年金制度,健康保険,労災補償,失業保険の有無や本人負担率に注目し,「企業内福祉」については,(1)有給休暇の種類と日数(2)社宅,食事手当,会社独自の健康保険,子弟の学資補助,社員旅行,冠婚葬祭への補助,退職金制度などの福利厚生の提供の有無,(3)労働総費用に占める法定福利と法定外福利の比率,(4)企業内福祉に対する経営側の方針と見解の4つを対象とした。
平成18年度に企業アンケート調査を実施し,約800社について回答を得た。平成19年度は回収した企業アンケートの集計と横比較のためのデータベースを作成し,毎月国,地域ごとの検討会を開催した。そして,平成20年2月に,372ページの最終報告書『東アジアの社会保障制度と企業内福祉:7力国,地域の国際比較』をとりまとめた。
今回め調査から得られた知見は以下のとおりである。(1)有給休暇については,各国,地域とも労働法が定める有給休暇の枠内で提供しているが,中国の帰郷休暇など国に固有の休暇については日数に企業差が見られること。(2)企業が提供する福利厚生については,全体的にモノ志向ではなく金銭志向(補助金の支出)が強いこと,韓国の場合には,子弟の学資補助が際立って高かったこと。(3)法定福利の現金支給に対する比率は,中国,シンガポール,韓国,台湾と続き,タイ,インドネシアが低かった。他方,法定外福利の比率は韓国,台湾が高く,シンガポール,中国が低かった。(4)企業内福祉への方針は,いずれの国,地域でも9割以上が重視する意見を示したが,賃金,ボーナスをより重視すべきという質問には国,地域でばらつきが見られた。以上である。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] 経済社会政策と予算制度改革:タックシン首相のくタイ王国の現代化計画2008

    • 著者名/発表者名
      末廣 昭
    • 雑誌名

      玉田芳史・船津鶴代編『タイ政治・行政の変革'1991-2006年』アジア経済研究所

      ページ: 237-285

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 持続可能なセーフティネット構築に向けての課題:高齢化対策を中心にみる韓国の福祉政策2007

    • 著者名/発表者名
      株本 千鶴
    • 雑誌名

      奥田聡編『経済危機後の韓国』アジア経済研究所

      ページ: 103-129

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 台湾の政労使関係と社会政策:新たなコーポラティズムへの模索?2007

    • 著者名/発表者名
      上村 泰裕
    • 雑誌名

      宇佐見耕一編『新興工業国における雇用と社会保障』アジア経済研究所

      ページ: 225-258

    • 査読あり
  • [学会発表] 東アジアの社会保障制度と企業内福祉について2007

    • 著者名/発表者名
      末廣 昭
    • 学会等名
      社会政策学会
    • 発表場所
      東京大学
    • 年月日
      2007-05-19
  • [図書] 東アジアの社会保障制度と企業内福祉:7カ国・地域の国際比較2008

    • 著者名/発表者名
      末廣 昭(編)
    • 総ページ数
      372
    • 出版者
      東京大学社会科学研究所
  • [図書] Catch-up Industrialzation: The Trajectory and Prospects of East Asian Economies2008

    • 著者名/発表者名
      Akira Suehiro
    • 総ページ数
      395
    • 出版者
      National University of Singapore Press

URL: 

公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi