研究課題/領域番号 |
17330050
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研究機関 | 一橋大学 |
研究代表者 |
深尾 京司 一橋大学, 経済研究所, 教授 (30173305)
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研究分担者 |
宮川 努 学習院大学, 経済学部, 教授 (30272777)
劉 徳強 東京学芸大学, 教育学部, 助教授 (10240417)
阿部 修人 一橋大学, 経済研究所, 助教授 (30323893)
伊藤 恵子 専修大学, 経済学部, 講師 (40353528)
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キーワード | 中国 / 直接投資 / 全要素生産性 / 国営企業 / 民営化 / 遼寧省 / 広東省 / 山東省 |
研究概要 |
17年度に行った主な研究は以下の通りである。 1.研究対象地域・産業として平成17年度は、山東省、広東省、遼寧省の3省、紡績・アパレル、電子・通信設備、鉄鋼業、自動車関連産業の4産業について、劉が過去に築いてきた中国研究者のネットワークを活用して、以下のスケジュールで行った。2005年6月から2006年2月にかけて、既存研究のサーベイや問題の整理を行った。2006年2月から3月にかけて、日本側研究者劉・深尾・伊藤と中国側共同研究者である中国人民大学応用統計科学研究センター主任の趙彦雲教授が上記3省の中国独立系企業および日系を含む外資系企業、約30社を訪問し、民営化改革や企業経営、とりわけ貿易と直接投資を通じた技術移転を中心に聞き取り調査を行った。現地訪問から得られた情報を元に、アンケート調査表を確定し、中国側共同研究者に依頼し、2006年3月にアンケート調査を実施した。推計調査企業は約360社であった。 2.16年度に他の科研の予算を用いて行った約280の中国企業(紡績産業および自動車産業)に関する調査結果を整理し、民営化や国際化と全要素生産性の関係を調べた。その結果、以下の結果を得た。第一に中国の紡績産業は2000年以降依然として速い成長を遂げているが、それ以上に自動車部品産業の発展が速かった。第二に、中国が比較優位を持つ紡績産業の全要素生産性上昇率は比較的低かった。第三に、中国の自動車部品産業では、全要素生産性上昇の大きな要因は規模の経済にあった。今後、自動車産業発展に伴う企業規模の拡大と共に、更なる上昇が起きる可能性があると考えられる。 3.日本と中国について、詳細な貿易・直接統計を整理し、中国との貿易が日本経済に与える影響について実証分析を行った(その成果は伊藤・深尾参照)
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