研究課題/領域番号 |
17330054
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
若杉 隆平 慶應義塾大学, 経済学部, 教授 (80191716)
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研究分担者 |
秋山 太郎 横浜国立大学, 経済学部, 教授 (40167854)
MCKENZIE Colin Ross 慶應義塾大学, 経済学部, 教授 (10220980)
吉原 順二 慶應義塾大学, 研究推進センター, 教授 (80383967)
小谷田 文彦 弘前大学, 人文学部, 助教授 (00292136)
椋 寛 学習院大学, 経済学部, 助教授 (90365065)
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キーワード | 多国籍企業 / 技術移転 / イノベーション / R&D / 知的財産権 / サービス貿易 / 直接投資 |
研究概要 |
イノベーションと国際貿易・R&D活動のグローバルな展開に関して、次のような研究実績があった。理論分析面では(1)イノベーションを内生化したプロダクトサイクルモデルに技術の標準化を導入したモデルを用いて、途上国における知的財産権保護の強さと先進国におけるイノベーションおよび技術移転とに逆U字型の関係が存在すること、(2)一定の条件の下でのサービス産業の貿易自由化は、通常の場合と異なり、消費者の損失・国内企業の利益となる可能性があることを示した。また、実証分析面では(3)日本企業における研究開発の国際的展開と人材の流動化の現状についての企業ヒアリングの結果から、国際化が進んでいる企業でも、研究開発は日本国内を中心として展開し、海外での研究開発は補完的であること、(4)経済産業省『企業活動基本調査』『海外事業活動調査』の個票データを用いた計量分析では、多国籍企業の研究開発の国際展開に関して、企業特殊的要素(子会社の輸出性向)、市場特殊的要素(現地の研究開発資源の豊富さ、研究開発水準の高さ、知的財産権の保護の強さ)が生産サイト・研究所での研究開発のいずれに対しても促進的であり、特に、研究所の設置によるR&Dに対して一層促進的であること、(5)現地の知的財産権の強化が日本の多国籍企業の本社と子会社の間での技術移転を促進することを明らかにした。また、国別・商品別貿易データの分析により(6)東アジアにおける技術移転による工程間分業・垂直的産業内貿易の拡大が、東アジアの貿易拡大の主たる要因であることを明らかにした。これらの成果を国際学会へ報告し、学術誌への投稿を行っており、その一部は既に採択・掲載されている。
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