研究課題
基盤研究(B)
本研究の目的は、近年急速な発展のみられるコンピュータ・グラフィックス(CG)技術とネットワーク環境を利用して、多国間・複数商品の貿易の歴史的トレンドを可視化(ビジュアル化)して提示する「3次元可視化システム」の開発と構築にある。本研究では、1947〜2000年の貿易統計データのうち、統合性の高いUnited Nations,Yearbook of international trade statisticsを基本的資料として利用した。本研究であらたに開発した「3次元可視化システム」は、複数の統計データのオーバーレイ表示や簡易年表との対応機能を実装したもので、貿易統計データを、コンピュータ上の3次元表示に適合したデータ規格への変換機能(「変換ツール」)と、変換したデータをビジュアル化して画面上に表示し、閲覧・操作を行う機能(「表示ツール」)の2つのツールより構成されている。「変換ツール」では、表計算ソフトで作成された貿易統計データを国際的なインターネット標準書式であるXML(Extended Markup Language:拡張可能なマーク付け言語)形式のデータに変換し、貿易統計の個々の数値データに、その構成要素である貿易国(地域)、貿易相手国(地域)、期間、単位(通貨・重量)などの属性を「タグ」により与えて、汎用的なデータ利用を可能にした。「表示ツール」は、インターネット閲覧ソフトを用いて3次元表示されたデータを閲覧・操作する際のプラグインソフトで、多国間の貿易額の時系列変化を地図上で表示するなどアニメーション技術による表示、3次元の座標軸を利用した複数の2次元グラフの立体的表示など、従来困難であった経済統計の効果的なビジュアル表示を可能にした。
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