研究概要 |
本研究は3ヶ年計画で実施される.第1年度にあたる平成17年度は以下の通り,おおむね当初の研究計画に沿って研究が実施された.以下,簡単に説明する. 第1に,「NPO,政府,企業間の戦略的パートナーシップ」に関連する文献ならびに各種資料を渉猟し,これまでの研究を各自の専門領域の立場から多面的にサーヴェイしつつ,試論的分析枠組を演繹的に導出した。 第2に,参与観察を行う戦略的パートナーシップの選定も並行して進めた。 第3に,「NPO,政府,企業間の戦略的パートナーシップ」の実践ならびに研究現状を把握すると同時に,資料収集と意見交換を行うため,神奈川大学,関西大学,県立広島大学との交流を行った。 第4に,研究代表者と研究分担者は,各自1ないし2事例を分担して予備調査を行い,上記の枠組を確認するとともに,一層の洗練化を図った。 第5に,予備調査を通して,インタビュー項目(半構造化インタビューの質問項目)を特定した。特定した参与観察のフィールドへ実際に出向き,今後のリサーチを行うための基盤づくりを行った。 第6に,効果的に展開されている「NPO,政府,企業間の戦略的パートナーシップ」を8つ選択し,各パートナーシップにおける,(1)参加組織の特定化と場の設定,(2)問題の認識・定義,(3)複数の解決策の生成・特定化,(4)解決策の決定・正当化,(5)正当化された解決策の実行,(6)パートナーシップ・アクティビストの行動を調査・分析した。 事例は,霧多布湿原トラスト,ツール・ド・北海道、パシフィック・ミュージック・フェスティバル,グリーンフリーズ・キャンペー,ジャパーンプラットフォーム,北海道グリーンファンド,北海道NPOバンク,北海道黒松内町の地域振興の8つである。 なお,本年度の研究成果の一部は,次頁に示す研究論文および著書として発表されている.
|