研究概要 |
本研究は,研究開発活動を企業が異なる知を総合していく知識創造プロセスと捉え,日系企業におけるグローバルな研究開発活動において,各国に分散する企業内の研究所及び競争業者、供給業者、顧客、大学など様々な外部組織と連携しながら新しい製品、サービスコンセプトを創造していくプロセスと,そこでどのような知識創造の場がデザインされているかについて研究したものである。今年度は、野中と遠山により,個人の想いや知識がコンセプトとなり,組織で共有されて具体的な製品、サービスとなる知識創造プロセスと,それを促進するための場とリーダーシップに関する理論的枠組みを確立するための研究が進められ,その成果はIndustrial and Corporate Change誌およびInternational Joumal of Knowledge and Systems Sciences誌に論文として掲載された。さらに,日本企業を中心とする十数社において実際に知識創造プロセスを中核研究者および研究マネジャーへの聞き取り調査及び参与観察により調査し,その調査結果と理論的枠組みを含む英文の本,Managing Flow:A Process Theory of Knowledge-based Firmが2008年8月にPalgrave社より出版予定である。また,企業とユーザーとの協業による知識創造に関して学会発表(Academy of Management)を行った。 また犬塚は,個人の認知構造モデルの研究を組織の認知構造モデルに適用し,研究開発活動においてこれまでとは異なるコンセプトを組織がいかに認知していくかのプロセスについて研究し、「経営行動科学」および「人工知能学会誌」に論文を発表した。また,International Journal of Knowledge Management Studies誌にも論文が掲載予定である。さらに知識創造の成果を特許データを用いて測定し,企業が発明者のパフォーマンスをいかに規定しているか,そうした規定が外部知識の活用に以下に影響を及ぼすかについて研究を行い,日本知財学会等で学会発表を行った。
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