研究課題/領域番号 |
17330086
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
若林 直樹 京都大学, 経済学研究科, 助教授 (80242155)
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研究分担者 |
田尾 雅夫 京都大学, 経済学研究科, 教授 (40094403)
椙山 泰生 京都大学, 経済学研究科, 助教授 (70323467)
澤邉 紀生 京都大学, 経済学研究科, 助教授 (80278481)
安田 雪 東京大学, 経済学研究科, 特任助教授
佐々木 利廣 京都産業大学, 経営学部, 教授 (80140078)
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キーワード | 社会ネットワーク / 社会関係資本 / 組織間学習 / 組織間関係 / 戦略的提携 / 組織間ネットワーク |
研究概要 |
本研究は、複数の企業の間での戦略的提携で高い成果を上げるには、組織間システムにおいて事業目的に最適な組織間学習をもたらす社会ネットワークが、企業の事業資本となる「社会関係資本(社会ネットワーク資本)」と考えて、そうした社会関係資本の構造的な特性と機能を明らかにしようとすることにある。本年度は、経営学の諸分野において、経営資源としての社会ネットワークがどのような働きをしているかについて、国内外の研究学会での先行研究の検討及び4回にわたる研究会で明らかにしてきた。まず、欧州組織学会及び米国経営学会に於ける研究動向を、年次大会に参加しながら検討すると、社会関係資本が、既に、国際戦略的提携、イノベーションのためにコミュニケーション開発、M&A後の組織統合、組織への帰属意識活性化、官民パートナーシップの研究領域で利用されて、組織間学習の促進要因としての有効な説明力を持つことが理解された。ことに、暗黙知、形式知などの知識特性に応じたネットワークの構造特性の使い分けが意識されていた。さらに、4回の研究会を行い、社会関係資本理論の動向、ベンチャー企業と産業クラスターの活性化、イノベーションを活性化するコミュニケーション・ネットワークについての診断手法と組織開発、サプライヤーシステムの活性化と組織間開発などの4つのテーマについて、その先行研究動向と社会関係資本理論を用いた研究の方向性についての検討を行った。さらに産業クラスター研究については、経済社会学会年次大会でテーマセッションを行い、その成果の一部を報告した。そうした結果では、産業クラスター、イノベーション・マネジメントでは広く異質な企業を連携させるネットワーク特性が、サプライヤーシステムでは暗黙知の共有に効果的なネットワーク特性が主として研究されていることが理解された。そうした先行研究の分析を活かして、日本映画産業に於ける製作ネットワークにおけるネットワーク組織の構造と成果との関連についてのネットワーク分析を展開した。
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