研究課題
基盤研究(B)
この研究は、専門経営者の中でも名経営者と呼ぶにふさわしい人物を識別すべく、そのための基礎固めを行う狙いをもってスタートした。2年に及ぶ研究期間の中で、当初着目した時価総額による企業評価の方法を早々に棄却するに至り、まずは代替的な評価尺度を捜すところから着手することになった。最終的に採択するに至ったのは、実質営業利益をベースにした複合尺度で、そのコアは「過去最高益更新率」というものである。企業の戦略評価に使える新たな指標を、試行錯誤の上で築き上げたことは、本研究の大きな成果と自認している。具体的な成果物としては、2000年5月末時点で三大証券取引所に一部上場しており、なおかつ1980年5月末時点で三大証券取引所に一部または二部上場していた金融・保険業を除く上場1013社の綿密な業績データベースを挙げることができる。これは別の予算で購入してあった日本政策投資銀行の財務データバンクから必要な会計項目を抽出し、決算期間の調整や、データの実質化など、手間暇のかかる調整を施したものである。このデータベースに新たな尺度を適用することにより、本研究は、戦略パフォーマンスが著しく高い122社と、戦略パフォーマンスが著しく低い202社を抽出するところまで到達した。以上で概観した研究は、既に論文二編、著書一冊にて途中経過を報告した。このあとも、さらに著書二冊がパイプラインに入っている。
すべて 2006
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組織科学 39・4
ページ: 27-42
国民経済雑誌 139・5
ページ: 43-56
Organizational Science Vol. 39, No. 4
Journal of Economics & Business Administration Vol. 193, No. 5