研究課題/領域番号 |
17330094
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研究機関 | 京都産業大学 |
研究代表者 |
大木 裕子 京都産業大学, 経営学部, 助教授 (80350685)
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研究分担者 |
小松 陽一 関西大学, 総合情報学部, 教授 (10068140)
古賀 広志 関西大学, 総合情報学部, 助教授 (20258312)
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キーワード | クレモナ / 弦楽器工房 / ヤマハ / ヴァイオリン製作者 / 技術の継承 |
研究概要 |
平成17年度の研究結果をもとに分析枠組を検討し、定性的研究と定量的研究を併用した。弦楽器製作においては、伝統技術手法を固守した完全手作業によるものと、大量生産による普及品製作の2つの流れがある。これに加え、既存楽器メーカーによる参入で、工程分析により部分的な機械作業を導入した高級品製作の試みもされている。市場では高価で取引されるオールド名器を超えた高品質の新作楽器が求められている。クレモナの弦楽器工房での技術継承に関わる問題点を抽出し、現代の名器復興の可能性について探るために、クレモナにおける弦楽器製作の現状についてこれまでの調査を精緻化すると共に、情報技術の導入と工程分析による弦楽器製作をおこなう先端企業の事例として、ヤマハの調査も実施した。 定性的研究については、イタリアではインタビュー調査をイタリアではクレモナにおいて弦楽器製作者7名(トップ・マエストロ2名を含む)、ヴァイオリン製作学校校長、クレモナ楽器製作者協会副会長、クレモナ市文化評議会委員、市立ストラディヴァリ博物館館長と、フィレンツェの弦楽器製作者におこなった。日本では、弦楽器製作者2名、弦楽器店経営者・ディーラー5名、株式会社ヤマハ豊岡工場カスタム工房設計課長、音楽事業営業担当、木曽福島ヴァイオリン製作学校校長におこなった。 また定量的研究は、クレモナに在住する日本人製作者が、クレモナで製作活動をおこなう理由について探るために、所属意識、技術取得と継承、コミュニケーション・ネットワーク、ヴァイオリン製作学校の意義、労働意欲に関する設問から成る調査票を設計した。これまでに、クレモナに在住する日本人50名に調査票を配布し15枚を回収した。更に調査票はイタリア語に翻訳し、イタリア人をはじめクレモナに工房を構える外国人についても調査も実施している。分析結果については、来年度に総括する。
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