研究課題/領域番号 |
17330098
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
西尾 チヅル 筑波大学, 大学院・ビジネス科学研究科, 教授 (80241769)
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研究分担者 |
竹内 淑恵 法政大学, 経営学部, 教授 (40366828)
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キーワード | 環境コミュニケーション / エコロジー行動 / ライフスタイル / 消費者行動 / マーケティング / 環境政策 |
研究概要 |
本研究は、消費者の環境配慮型行動を醸成・育成するための環壕コミュニケーションの方法を明らかにし、より具体的かつ実務で適用可能な環境コミュニケーションを設計・提示することを目的とする。具体的には(1)消費者の価値構造とライフスタイルに関する尺度の開発、(2)消費者の生活行動の背後にある価値とエコロジー意識や行動との関係の解明、(3)エコロジー意識や行動を醸成および育成するための環境コミュニケーションの設計、(4)環境コミュニケーションの短期効果の分析、(5)環境コミュニケーションの累積効果と磨耗効果の分析、(6)環境保全型ライフスタイルの促進と定着のための環境コミュニケーション戦略の提案から構成される。完成年度の本年度は、エコプロダクトを使用するという体験型のコミュニケーションの累積効果の時系列的変化を計測し、環境コミュニケーションの継続による慣れや飽きといった磨耗(wearout)効果、環境対応への限界感による環境保全型行動の停止やリバウンド効果の有無などについて分析を行った。その結果、エコプロダクトの体験を通じて何を学習するかによって効果が異なることが。すなわち、有効性評価は短期的には有効だが、継続させるためには、コスト評価を低減し、やりがい感等の質的ベネフィットが醸成されることがカギとなることが明示された。また、4年間にわたる本研究の中で明らかになった消費者の環境配慮型行動を規定する価値観について、米国消費者向けに調査を行い、これらの価値観の日米の国際比較を試みた。その結果、日米間で共通する価値構造と文化の異質性を表す価値構造が導出された。以上の成果に基づき、環境配慮行動のカギとなる消費者の価値構造とそれを醸成するための環境コミュニケーション戦略について提言を行った。
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