研究課題/領域番号 |
17330099
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
阿部 周造 横浜国立大学, 経営学部, 教授 (30060015)
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研究分担者 |
白井 美由里 横浜国立大学, 大学院・国際社会科学研究科, 准教授 (10303067)
松井 建二 横浜国立大学, 経営学部, 准教授 (20345474)
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キーワード | 製造業者と小売業者のパワー関係 / 購入製品満足度 / 購入店舗満足度 / 消費者行動 / 流通 |
研究概要 |
最終年度である本年度に実施した研究およびその成果は次の通りである。 まず、消費者を対象としたアンケート調査を2つ行った。1つ目は携帯電話を対象製品として、購入製品の満足度と購入店舗の満足度を調べ、それらがどのような要因によって規定されているのかを探るとともに、2次因子構造を持った共分散構造分析によって、製品と購入店舗に関する満足度がより高次の総合的満足度にどのように貢献するのかを探った。分析の結果、製品満足度と購入場所の満足度は共に高次の総合的満足度につながるが、相対的なウエイトはやはり製品満足度の方が大きいことが明らかとなった。消費者の満足度を通しての間接的な分析ではあるが、流通における製造業者のパワー基盤の1つを示す結果を得たことになる。2つ目は製造業者と小売業者のパワー関係に対する消費者の評価を調べるもので、消費者に小売業者の方が強いと感じる小売業態とメーカーの方が強いと感じる小売業態を思い浮かべてもらい、思い浮かべた小売業者について詳細に質問するという方法をとった。その結果、小売業者の方が強いと感じられている小売業態は総合スーパー(GMS)と家電量販店に集中しており、それらには大規模でチェーン展開しているという特徴と低価格のイメージがあることが明らかになった。反対にメーカーの方が強いと感じられている小売業態は、特定の業態に集中してはいないものの食品スーパーとGMSが多く、そこで食品や飲料をよく購入する消費者がそのように評価する傾向が見られた。 この他、卸業者と小売業者のパワー関係が小売業態間で有意に異なるという実証研究の成果を、American Marketing Association主催の国際会議Summer educators'conferenceにて報告を行った。さらに、小売店舗立地の時系列的な調整に関する分析が国際学術雑誌に受理され、掲載予定となった。
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