研究概要 |
研究期間の2年目に当たる平成18年度は,前年度に引き続き,ベンチャー企業に関する先行研究のレビュー,ベンチャー企業に関する事例研究およびヒアリング調査等を行なった。さらに,これらの検討および先行調査を踏まえて,年度の後半では,海外共同研究者と議論を重ね,質問票調査によるデータ収集のための概念枠組みの構築,測定尺度の検討,および質問票の設計を行なった。その後,平成19年1月から3月にかけて,日本のベンチャー企業を対象に質問票調査を実施した。 質問票は,先行研究の尺度を参考に英語で作成した後,双方向翻訳の手法を用いて日本語に翻訳した。日本のベンチャー企業のサンプリングについては,『日経ベンチャービジネス年鑑』他を基に独自のリストを作成し,最終的に1200件を超える質問票を発送した。質問票への回答は,ベンチャー企業の経営者または創業者に依頼した。数回のフォローアップの後,すでに200社以上の回答を得ているが,さらに多くの回答を得るため,現在もフォローアップを継続中である。 こうして日本で先行的に実査を行なう一方で,海外共同研究者の協力を得て,来年度に実施予定のアメリカ・中国における質問票調査に向けての準備も進めた。各国で質問票を発送するためのベンチャー企業リストの作成を完了し,少なくとも150社以上の回答を得ることを目標とした調査設計を完了している。質問票の作成および翻訳も手配済みであり,遅くとも来年度5月には各国での実査を展開し,9月までにはすべてのデータ収集を終える予定である。
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