研究課題/領域番号 |
17330106
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
金子 勇 北海道大学, 大学院文学研究科, 教授 (50113212)
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研究分担者 |
森岡 清志 首都大学東京, 都市教養学部, 教授 (50125358)
園部 雅久 上智大学, 総合人間科学部, 教授 (00154716)
片桐 資津子 鹿児島大学, 法文学部, 助教授 (20325757)
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キーワード | 少子化 / コミュニティ / 共生社会 / 世代 / 地域福祉 / 子育て支援 / 高齢化 |
研究概要 |
今年度の研究は2種類に分かれる。一つは9月に伊達市と鹿児島市で、それぞれ層化二段無作為抽出法でそれぞれ500人を調査した。そのデータ分析中に、いわゆるパットナム命題の一つであるソーシャル・キャピタルと「自由意識」との正相関を否定する結果が得られた。これを日本都市のなかで他のデータを付加しながら、検証している。 もう一つには、先進国で唯一少子化克服に成功したフランスの調査結果のまとめている。出生率の底上げは、離婚再婚を繰り返す「再構成家族」の出生率の高さ、3人目の子育てへの経済的支援の手厚さ、加えて全体で7%を超える北アフリカ系、ヨーロッパ系、旧インドシナ系移民の示す出生率の高さなどに要因がある。これらはフランス的な個別事情だが、日本の少子化傾向を反転させるヒントとして、日本でも応用可能な2点も得られた。 1.フランスで制度化された「公認保育ママ」がもつ近い、安い、安心という保育機能であるので、子育て経験があり、一定の公的資格を持つ女性が自宅で他人の子どもを預かり、保育を行うこの制度を、少子化克服策の一環として導入議論を開始したい。 2.移民も含めたフランス人全体への政府の手厚い家族支援のうち、権利として勝ち取られてきたたくさんの子育て関連休暇制度を積極的に検討したい。これらのうち、何をどうすれば、日本でも育児休暇制度が広げられるかを論点にしたい。 国民性や社会制度が異なるので、単純なフランス模倣は不可能だが、最終年度に向けてより詳しい現地での子育て支援や家族関係調査から、日本でも有効な少子化克服策を模索したい。
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