研究課題/領域番号 |
17330124
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研究機関 | 関西学院大学 |
研究代表者 |
荻野 昌弘 関西学院大学, 社会学部, 教授 (90224138)
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研究分担者 |
古川 彰 関西学院大学, 社会学部, 教授 (90199422)
松田 素二 京都大学, 大学院・文学研究科, 教授 (50173852)
山 泰幸 関西学院大学, 社会学部, 助教授 (30388722)
亀井 伸孝 関西学院大学, 社会学研究科, COE特任助教授 (50388724)
打樋 啓史 関西学院大学, 社会学部, 助教授 (20319817)
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キーワード | 社会学 / 文化人類学 / 民俗学 / 歴史学 / 哲学 / 戦争 / 記憶 / 負の遺産 |
研究概要 |
本研究の二年目にあたる今年度は、昨年度に続いて、太平洋戦争時における日本国内および旧植民地、および中国大陸、太平洋諸地域など関連地域に関する調査を実施し、戦争に関する関連研究機関との協力関係の構築、図書館、博物館など資料の所在確認と基礎的データの収集に努めた。主な調査地、調査機関は、次の通りである。1)日本国内靖国神社、横須賀、呉、鹿児島、長崎、群馬、千葉、愛知2)韓国国立韓国学中央研究院3)ネパール4)フィリピンセブ島5)ハワイ真珠湾戦跡6)グアム、サイパンなど。この他、多数の機関、施設を訪問し、データ収集、研究者間の情報交換につとめた。本年度の成果として、特筆すべきは次の点である。(1)昨年オランダの戦争資料館との共同研究会でおこなった戦争に関する研究報告をもとに、研究代表者の荻野、分担者の山が論文にまとめ、オランダにて英文で刊行したこと。(2)日本国内においては、膨大な旧軍用地が戦後社会の展開に大きな影響をもったという知見を得て、さらに各地の軍用地について、東京、千葉、群馬、愛知などで個別に丹念な現地調査、資料収集を行ったことである。(3)戦時下のキリスト教の状況について、関西学院大学をはじめミッションスクールでの資料収集、当時の学生へのインタビューなどを実施した。(4)また、フィリピン、グアム、サイパンなど太平洋戦争の戦場となった広範な地域における戦死者の記念行為について現地調査を実施。(5)「一国史」的戦争表象に対する批判的視点について、韓国の近代史研究者と交流し、現代韓国における歴史学の視点や、(6)ハワイにおける真珠湾攻撃の記憶に対する先住民の視点などが存在することが確かめられた。太平洋戦争の遺産を多角的に捉える視点を構築することに努めた。(7)また、靖国神社の英霊祭祀の現在的問題について思想史的な視点から批判的検討をした。
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