研究課題/領域番号 |
17330125
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研究機関 | 熊本学園大学 |
研究代表者 |
原田 正純 熊本学園大学, 社会福祉学部, 教授 (00040519)
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研究分担者 |
花田 昌宣 熊本学園大学, 社会福祉学部, 教授 (30271456)
宮北 隆志 熊本学園大学, 社会福祉学部, 教授 (50112404)
富樫 貞夫 熊本学園大学, 社会福祉学部, 教授 (70039957)
羽江 忠彦 熊本学園大学, 商学部, 教授 (30084271)
下地 明友 熊本学園大学, 社会福祉学部, 教授 (90128281)
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キーワード | 水俣学 / 健康被害 / 公害 / 環境再生 / ライフヒストリー |
研究概要 |
本研究は、被害実態の広がり(医学的側面のみならず社会的側面から)の把握に努め、現在の課題を明らかにすることを課題としており、病いを社会的なものとしてとらえ医学的な疾患学・症候学あるいは病像論から解き放ち、社会環境の中に位置づけ直す試みを通して、改めて被害実態を明らかにしようとするものである。 本年度は、熊本学園大学が設置した水俣学研究センターの拠点整備がほぼ完了し、年度当初の研究計画に沿って研究調査を実施することができた。健康・医療・生活問題班では、8月に水俣対岸の島御所浦の横浦島(人口約千人)で、全戸の訪問調査を実施した。現在、データの集約を終わった段階で、第一報は、2007年1月に水俣市で開催された第2回水俣病事件研究交流集会で発表されるとともに、3月に横浦島で住民に対する説明報告会を実施した。また、隔週火曜日には、水俣学現地研究センターでの医療福祉相談を実施し、水俣病申請希望の患者に対する医学的検診を実施した。地域社会・福祉問題班では、7月に水俣病多発地域に位置する高校4校の生徒に対する意識調査を実施した。データの単純集計が終わった段階で、第一報は、2007年1月に水俣市で開催された第2回水俣病事件研究交流集会で発表されたが、統計処理を含めた詳細な検討は2007年度に実施する。また、3月には水俣社協との協力のもと、住民意識調査も実施した。 被害補償と環境再生問題班では、水俣地域の社会的アクターを中心に地域戦略プラットフォームづくりのワーキンググループを立ち上げ、定例的に研究会を実施した。 また、9月には、水俣学研究センター主催で「水俣50年の教訓は活かされたか」と題された国際会議を開催し、報告を行うとともに、アジアを中心とした環境被害発生地域からの参加者(研究者、NGO関係者、被害当事者ら)との討論を組織した。 以上の研究活動は、2007年度も継続されるとともに、研究成果の公開へとつながるものである。
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