研究分担者 |
山崎 美貴子 神奈川県立保健福祉大学, 保健福祉学部, 教授 (90062140)
上野谷 加代子 同志社大学, 社会学部, 教授 (40123583)
福山 和女 ルーテル学院大学, 総合人間学部, 教授 (20257083)
對馬 節子 文京学院大学, 人間学部, 教授 (30364847)
本田 芳香 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 教授 (80307123)
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研究概要 |
わが国におけるソーシャル・ケア・スタンダードの構築に向けての利点と課題を検討することを目的に、今年度は概念および分析枠組み構築の研究段階として、先駆国のモデルを比較検討した。 1.ソーシャル・ケア実践のスタンダード作りに先駆的に取り組んでいる英国で、2002年に策定された「ソーシャルケアワーカーのための行動規範及びソーシャルケアワーカーの雇用主のための行動規範」の内容について、そのモデル性を検討するためにカテゴリー分類を行った。 その結果、1)実践のプロセス(administration),2)実践における責任の所在(accountability),3)サービスの提供方法(equity services),4)サービス提供の結果(evaluation(development)),5)実践の根幹にあるもの(value)という5項目が明確になった。これらの成果については、日本社会福祉学会第53回全国大会の自主企画シンポジウムにおいて発表した。 2.上記の5項目の概念について、それらが実践上どのように具象化されているかを把握するために、米国マサチューセッツ州ベルモント市、英国ウェールズ・ブリッジエンド市、日本・東京都内のソーシャル・ケア実践者を対象に聞き取り調査を行った。 専門家の認識と専門的行動の意識化について分析した結果、ソーシャル・ケア・スタンダードの構築のあり方には、その地域における専門家としてのアイデンティティや専門性の確立、サービス及び実践者の質の確保、雇用組織や実践者の社会への貢献、教育・研修体制などの側面が影響していることが明確になった。
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