研究課題/領域番号 |
17330130
|
研究機関 | 日本福祉大学 |
研究代表者 |
原田 正樹 日本福祉大学, 社会福祉学部, 准教授 (40287793)
|
研究分担者 |
大橋 謙策 日木社会事業大学, 社会福祉学部, 教授 (40060470)
松岡 広路 神戸大学, 発達科学部, 教授 (10283847)
河村 美穂 埼玉大学, 教育学部, 准教授 (00361395)
新崎 国広 大阪教育大学, 教育学部, 准教授 (10362740)
佐藤 陽 十文字学園女子大学, 人間生活学部, 講師 (70364859)
|
キーワード | 福祉教育 / 社会福祉教育 / 社会福祉 / ボランティア / サービスラーニング / 教育福祉 |
研究概要 |
福祉教育の実践構造を明らかにすることを意図して、本年度は次の三つの方向から研究を実施してきた。一点目は、福祉教育の実践構造を各領域(教科教育学、社会教育学、教育心理学、社会福祉学)からの研究方法を用いて構造分析を試みること。昨年度までの研究で仮設として6つの要素(学習者、学習支援者、学習素材、学習価値、学習目標、学習方法)を明らかにしてきた。その上で福祉教育実践研究の方法論を明らかにしていくことを本年度の課題とした。各自が関与している実践について、研究主題を設定したところで、研究者の関与や分析に用いた方法論に留意して事例研究を積み上げてきた。 二点目は、福祉教育における社会理論を構築するために、ESD、normalization、social inclusionといった諸概念について、各分野における定義や用いられ方の比較検討を通して、再定義にむけた課題整理を試みた。また韓国における福祉教育の動向を把握することで、日本の発展段階との比較や概念上の違いを社会背景の分析から試みた。 三点目は、福祉教育実践の歴史研究である。昨年度のから始めた静岡県「社会福祉事業教育」の取り組みについて、現地において収集した一次資料を関係者からのヒアリングによって検証を加えることで体系化を図った。これについては報告書に編纂して発行している。『静岡県福祉教育の40年の歩み』 またこうした研究を踏まえて、実践者との合同研究会を開催することで概念における認識の差や合意点を探るとともに、実践研究法についてワークショップを用いることで検討を試みた。現場での概念の混乱と実践方法の模索の背景に、社会福祉や教育の相次ぐ制度改革のなかで、実践の指向性が見定めにくくなっていること。価値の多様性というよりも、実践のリフレクションや評価の弱さが指摘され、それにむけた福祉教育実践研究の必要性が再認識された。これまでの研究成果をまとめるべく最終年において出版にむけた企画と、合同研究会によるシンポジウムを次年度にむけて検討していく。
|