研究課題/領域番号 |
17330136
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研究機関 | 東洋大学 |
研究代表者 |
安藤 清志 東洋大学, 社会学部, 教授 (50125978)
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研究分担者 |
田中 淳 東洋大学, 社会学部, 教授 (70227122)
北村 英哉 東洋大学, 社会学部, 教授 (70234284)
小口 孝司 千葉大学, 文学部, 助教授 (70221851)
沼崎 誠 首都大学東京, 都市教養学部, 助教授 (10228273)
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キーワード | 自己 / 人間関係 / 災害 / 自己変容 / 自己呈示 / 死別 |
研究概要 |
本年度は、研究代表者および各分担者が、当初の目的に沿った研究をそれぞれ実施した。 北村は、就職面接場面を実験場面として想定した自己呈示の実験に向けた予備調査として、就職場面でどのような性格次元が問題になりやすいか就職活動中の学生にインタビューを行い、具体例を蒐集した。検討の結果,外向-内向次元に関わる具体的な行動傾向として、見通しがはっきりしなくても冒険的にどんどん行動していくタイプと、緻密に問題を考えていくタイプが抽出され、この次元が実験に利用できることが示された。 沼崎は、女子大学生を用い自己呈示の内在化の実験を行った。呈示スタイル(温かさ群vs.有能さ群vs.統制群)を操作し、平等主義的性役割観を測定しておいた。従属変数として自己評定の変化量を測定した。有能さ群は温かさ群や統制群に比べ有能さ評定が上昇した。平等的性役割観が高い女性では温かさ群では温かさ評定が上昇し、有能さ群では低下した。伝統的性役割観が高い女性では有能さ群で温かさ評定が上昇した。 安藤は、名古屋空港における中華航空機墜落事故で肉親を喪った台湾在住遺族9名に対して面接調査を実施した。また、同時に、IESおよびGHQに記入を求めた。その結果、GHQの平均値は7.22、IESの平均値は侵入得点が27.67、回避得点が25.44であり、事故後11年経過した時点においても、精神的健康の状態は悪く、事故の衝撃が引き続き残っていることを示していた。また、全体的に、長期にわたる裁判およびその経過(とくに一審判決の内容)が大きなストレス源になっている様子が伺えた。 田中は、自然災害被災地(旧山古志村)への大学生ボランティアに対するアンケート調査を実施、大学生の参加動機と自己変容の諸側面との関連について分析をおこなった。
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