研究課題/領域番号 |
17330136
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研究機関 | 東洋大学 |
研究代表者 |
安藤 清志 東洋大学, 社会学部, 教授 (50125978)
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研究分担者 |
田中 淳 東洋大学, 社会学部, 教授 (70227122)
北村 英哉 東洋大学, 社会学部, 教授 (70234284)
小口 孝司 千葉大学, 文学部, 教授 (70221851)
沼崎 誠 首都大学東京, 都市教養学部, 助教授 (10228273)
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キーワード | 自己 / 人間関係 / 災害 / 自己呈示 / 自己変容 / 死別 / 喪失 |
研究概要 |
本年度は、研究期間の中で中心的な時期であり、各分担者が当初の目的に沿った研究を集中的に実施した。沼崎は、異性愛プライムが、ジェンダー関連の自己ステレオタイプ化を通して、女性の自己概念の変容に及ぼす効果を検討した。伝統的性役割観を持つ女性においてのみ統制群に比べ異性愛プライム群では自己を女性的に捉えるようになった。この結果は、伝統的性役割観を持つ女性は、異性愛という関係性が活性化すると、伝統的女性ステレオタイプで自己カテゴリー化を行うことを示唆している。田中は、災害被災者へのフィールド調査に用いうる尺度として2件法によるGHQがどの程度の妥当性・信頼性をもつかを明らかにするために、4件法と比較するための調査を行た結果、2件法では反応率が低下し信頼性が引くことが判明した。ことに特定の項目では弁別力がないことが明らかとなった。小口は、解釈レベルが行動の意図と時間的距離の予測に与える影響について実験的検討を行い、日本社会心理学会の大会において発表を行った。さらに、CMC経験が対人不安の低減に及ぼす効果についても検討を行い、その成果を学会において発表した。安藤は、ストレス関連成長尺度に関する資料収集を継続して行うとともに、「成長」の概念規定について理論的検討を行った。とくに、「成長」が当人の認知的歪みに依存する可能性については十分に考慮する必要があり、この点に関して論点の整理をおこなった。北村は、自己の感情的経験の記述についての実験を行い、ポジティブな経験については特性形容詞などを用いた相対的に抽象的な記述が、ネガティブな経験については行動記述などによるより具体的な記述がなされがちであることを見出した。この結果を、平成19年1月にメンフィスで開催されたThe Society for Personality and Social Psychology第8回年次大会において発表した。
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