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2007 年度 研究成果報告書概要

施設等にいる虐待された乳幼児に対する愛着障害とPTSDの検証とインターベンション

研究課題

研究課題/領域番号 17330138
研究種目

基盤研究(B)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 教育心理学
研究機関茨城大学

研究代表者

数井 みゆき  茨城大学, 教育学部, 教授 (20282270)

研究分担者 森田 展彰  筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 講師 (10251068)
金丸 隆太  茨城大学, 大学院・教育学研究科, 講師 (30361281)
遠藤 利彦  京都大学, 大学院・教育学研究科, 准教授 (90242106)
中島 聡美  国立精神・神経センター精神保健研究所, 成人精神保健部, 室長 (20285753)
後藤 宗理  名古屋市立大学, 大学院・人間文化研究科, 教授 (90115569)
研究期間 (年度) 2005 – 2007
キーワード虐待 / アタッチメント / トラウマ反応 / 乳児院入所乳児 / 発達検査 / 行動観察
研究概要

虐待されて入所している乳児を、そうではない入所児と家庭で養育されている乳児とで比較し、虐待の影響が、アタッチメントの形成やトラウマ反応、そして、発達全般にどのように影響を与えているのかを検証し、そして、その結果から、乳児院保育に対してインターベンションのあり方を提案した。トラウマ反応については、生理的なデータで検証した。対表面温度はサーモグラフィによる検証で、群間差が見られなかった。しかし,心拍などの生体データからは、ある程度の群間差が見られ、被虐待群が一部の測定で特異な傾向を見せた。また、アダッチメントにっいては、乳児院入所児の検討を行い、虐待の既往歴がある子どもにおいて、アタッチメントの問題行動が多いことがわかった。さらに、発達全般への影響を検証したところ、言語や対人関係において、乳児院群は、家庭養育されている乳児よりも、かなり発達に遅滞が見られることがわかった。この結果は、同じ乳児院に入っていても、虐待かそうでないかということ、それから、関わる保育者との関係のあり方によって、左右されるようであった。
乳児院における子どもは最低限の安全は確保できているようであるが、それは集団生活を送る中で、発達の側面に犠牲を払って成り立っているといっても過言ではない状態であった。乳児院では日課に追われる毎日で、保育者がそれをこなすだけの生活であると、子どもにとって本当に必要なかかわりがされない傾向にあった。子どもは人とのやりとりでしか獲得されない発達があるのだという視点にたち、たとえ限られた時間でも、質のよいかかわりを行うことが喫緊の課題であろう。また、乳児院入所児の独特の行動は、実は発達が阻害されている印だと理解することが必要であろう。

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2008 2007 2006

すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] アタッチメント理論の現在: 特に臨床的問題との関わりにおいて2008

    • 著者名/発表者名
      遠藤利彦
    • 雑誌名

      乳幼児医学・心理学研究 17

      ページ: 24-38

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 査読あり
  • [雑誌論文] State of arts of attachment theory : In relation to chlinical problems2008

    • 著者名/発表者名
      Endo, Toshihiko
    • 雑誌名

      Journal of Infant Medicine and Psychology 17

      ページ: 24-38

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [雑誌論文] 関係性から考える乳幼児のPTSD発症のメカニズム2007

    • 著者名/発表者名
      中島聡美・森田展彰・数井みゆき
    • 雑誌名

      児童青年精神医学とその近接領域 48

      ページ: 567-582

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 査読あり
  • [雑誌論文] PTSD diagnosis on infants and preschoolers2007

    • 著者名/発表者名
      Nakajima, Satomi, Morita, Nobuaki,&Kazui, Miyuki
    • 雑誌名

      Jpn. J. Child Adolesc. Psychiater 48

      ページ: 567-582

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [雑誌論文] 少子化社会でのアタッチメントとは?2006

    • 著者名/発表者名
      数井みゆき
    • 雑誌名

      「思春期学」別冊 24

      ページ: 503-507

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 査読あり
  • [雑誌論文] What is "attachment" in the society where the number of children is reducing2006

    • 著者名/発表者名
      Kazui, Miyuki
    • 雑誌名

      Special Edition of Journal of Adolescentology 24

      ページ: 503-507

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [学会発表] Creating attachment enhancing programs between caretakers and children below elementary school in the institution2006

    • 著者名/発表者名
      Morita, Nobuaki, Kazui, Miyuki, et. al.
    • 学会等名
      Japan Child Abuse Prevention Research Conference at 12nd
    • 発表場所
      Sendai, Miyagi
    • 年月日
      20060000
    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [学会発表] 児童養護慮設における未就学児童とケアワーカーのアタッチメントを促進するプログラ.ムの開発と有効性の検討2006

    • 著者名/発表者名
      森田展彰・数井みゆき, 他
    • 学会等名
      日本子ども虐待防止学会第12回学術大会
    • 発表場所
      宮城県仙台市
    • 年月日
      2006-12-08
    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [図書] アタッチメントと臨床領域2007

    • 著者名/発表者名
      数井みゆき・遠藤利彦
    • 総ページ数
      303
    • 出版者
      ミネルヴァ書房
    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より

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公開日: 2010-02-04  

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