研究課題/領域番号 |
17330140
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研究機関 | 大阪教育大学 |
研究代表者 |
白井 利明 大阪教育大学, 教育学部, 教授 (00171033)
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研究分担者 |
川崎 友嗣 関西大学, 社会学部, 教授 (10298838)
若松 養亮 滋賀大学, 教育学部, 助教授 (50273389)
安達 智子 大阪教育大学, 教育学部, 講師 (40318746)
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キーワード | 教育系心理学 / フリーター / キャリア発達 / 時間的展望 / 自立 / 大人への移行 / キャリア支援 / 青年期 |
研究概要 |
今年度は、キャリア自立プロセスモデルの生成を行った。 まず、フリーターに関する研究動向についての文献を収集・検討した。その結果、社会的状況を踏まえて上で、なおかつ心理的な要因の重要性を提案することが課題とした。それは、集合的な支援ではなく、個別的な支援が必要であることなどがイギリスなどの先進的な取り組みのなかでも明らかにされているからである。研究としては、時間的展望の視点を入れることで、キャリア発達理論を再構築することが課題である。キャリア発達理論はSuper,D.E.らの理論が有名であるが、それを発展させたSavickas,M.L.らのキャリア構成理論を取り上げた。ここでは状況との相互作用のなかでキャリアが立ち上がってくる過程が問題になっている。従来のような単線型の発達モデルとは違い、多元的で可塑的、主体的な発達の筋道が解明できる可能性がある。ここでの研究成果は、日本青年心理学会第13回大会でシンポジウムを開催した。学会誌への投稿の準備もしている。 次に、フリーター支援機関(ジョブカフェ)でのアドバイザーらからのヒアリング調査を行った。その結果、自立には外的キャリアの自立と内的キャリアの自立の両方が必要であること、将来展望、家族とのコミュニケーションの有無や大人のかかわり方が鍵となることなどが示された。大卒者は高卒者と比べて本人の意思決定の比重が大きいことも確認できた。ヒアリング調査の結果は論文としてまとめており、学会誌に投稿する予定である。 以上の作業に基づき、2年目で本格的に実施する質問紙調査の計画を立案した。フリーター自身による文脈の意味づけに関する質的な検討を含むデータの収集と検討を行う。
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