研究概要 |
子どもが司法場面で情報提供を求められることは少なくない。本研究の目的は, 出来事の報告, 特に人物の記述と, 刑事事件でも民事事件でも問題になる感情・気持ちの表現に焦点を当て, 発達的変化を明らかにするとともに, 得られた資料を司法面接の開発に活かすことであった。成果は以下の3点となる。(1) 実験研究により, 語彙は限られているものの, 幼児による人物記述の度合いは人物の再認の正確さと関わっていること, 感情・気持ちについては, 特にネガティブな気持ちを表す語彙が学童期に増加することを示した。(2) 幼児の供述の信用性に関する大人の意識, 認識を検討し, 一般市民は子どもの供述の信用性を高く見積もりがちであることを示した。(3) これらの成果, 文献調査, 国外での調査などを踏まえ, 面接ガイドラインを提案した。
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