研究課題/領域番号 |
17330153
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
実験心理学
|
研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
中原 大一郎 浜松医科大学, 医学部, 教授 (80128389)
|
研究分担者 |
石田 康 宮崎大学, 医学部, 教授 (20212897)
畑 敏道 浜松医科大学, 医学部, 教務員 (50399044)
|
研究期間 (年度) |
2005 – 2007
|
キーワード | 母性ストレス / ラット / 細胞新生 / コカイン / コルチコステロン / 内側前脳束 / 脳内自己刺激行動 / 消去 |
研究概要 |
妊娠中の母体に対するストレスは生まれてくる仔の脳と行動の発達に大きな影響を与える可能性がある。 本研究では、母体ストレスが、(1)思春期脳の細胞新生に影響するか、(2)コルチコステロンの分泌にどのように影響するか、(3)脳内自己刺激行動を用いて、急性コカイン投与による報酬効果の促進作用および慢性コカイン投与による抑制作用に影響を与えるか、また(4)自己刺激反応の消去にどのように影響するかなどについて検討した。実験には、妊娠時にストレスを受けた母親から生まれた雄の仔ラットと正常母親から生まれた雄の仔ラットを用いた。母体に対するストレスは妊娠13日目から19日目の7日間にわたって与えた。すなわち、白熱灯照明下においたBolmanケージで1日3回(45分/回)母親ラットを拘束した。得られたおもな結果は次の通りである。(1)母性ストレスは、仔の情動/動機づけ機能に関与する脳領域における細胞新生を抑制した。(2)母性ストレスは、拘束ストレスによるコルチコステロン分泌量の増加を延長させた。(3)母性ストレスは、急性コカイン投与による報酬閾値下降効果および反復投与後の休薬期間中にみられる閾値上昇効果に影響を及ぼさなかった。しかしながら、(4)母性ストレスは、コカイン投与下において自己刺激の消去時反応を増加させた。 本研究から、母体ストレスは、仔の細胞新生と視床下部-下垂体-副腎系のネガティブフィードバック機能を抑制し、一方コカイン存在下における報酬性行動に対する消去抵抗を増強することが明らかになった。
|