研究概要 |
前年度までの研究遂行に基づき,実践(具現化)過程を通したカリキュラム策定と理論構築を行った。あわせて,研究成果周知活動を行い,関係者への還元を実施した。具体的な研究成果は次の通り。 (ア)多文化共生社会にふさわしい対話型カリキュラム原理の開発 (イ)本課題研究成果の周知・還元と関係者間ネットワーク構築の達成 (ウ)学校教育・学級を基盤とする協働や学び合いの様相の抽出と当該学習環境での支援員活動の事業化(ア)は,本研究の最大の目標である「協働学級」の在り方を裏付ける理論の完成である。複数の文化を背景とする児童生徒と社会における多数派の文化の中で成長してきた児童生徒が共生する教育環境において,お互いの異なりの寺性を生かして力を補完し合い学びを活性化するという互恵的な学習の場の重要性を謳った。(イ)は,静岡3地域を結ぶ研究協力体制の構築である。西部においては外国人集住地域における教育現場と静岡大学との連携事業の展開,中部においては行政と学校と本研究員との相互協力による支援員事業の発足,東部においては外国人散在地域における学校教員を中心とした関係者間ネットワーク構築と学級支援事業を展開した。2007年12月ご開催したシンポジウムは上記成果の集大成としての周知・還元活動であった。(ウ)は,学校支援学生ボランティア団体の立ち上げおよび活動の継続と,研究支援員派遣による学校環境改善の成功に代表される。調査対象である教育現場に負担をかけず,子どもたちや教員の利益を最大限に発生させながら高い価値のある資料を抽出することになった。特に,当該活動に対する分析によって,支援員として必要な専門性と,対応方法の詳細がデータとして蓄積した。先の成果に至るまでのノウハウの情報も得て他所からの参照に応えている。
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