研究概要 |
この研究は、国立大学の法人化や18歳人口の減少に伴う学生確保の困難化、知識社会の到来による大学への新たな期待の増大など、大学を巡る管理運営および経営環境の急速な変化の中で、これからの大学の管理運営および経営を担う人材、とくに学長・副学長クラスのトップレベルの人材のほかに、部長・課長等の中堅事務職員にも着目し、その能力養成と養成した人材の活用方策について研究を行い、彼らが真に大学経営に必要な人材になること、すなわちエンプロイヤビリティー(雇用されうるために必要かつ適切な能力)を高めるための方策を明らかにすることを目的としている。 平成18年度は、大学事務職員のエンプロイヤビリティーに係る最新かつ具体的なニーズの実態を明らかにするため、平成19年2月に全国実態調査を行った。調査は全国の国公私立大学(四年制)700校の3,500人に対して行い、これに対して1,400人からの回答を得た(回答率40パーセント)。すなわち、各大学の事務局長(相当職を含む)、50歳代、40歳代、30歳代および20歳代の職員(1大学当たり5名)を対象とし、回答者の人選は事務局長に依頼した。 調査内容は、調査者の属性(勤務大学の設置者別、性別、年齢段階、最終学歴、現在の職位、勤務年数、主に行ってきた仕事の分野)のほか、現在の仕事に必要とされる能力・適性の具体的事項、その充足状況、不足の場合の能力向上方策などを探るため、能力開発の必要性の有無、必要性の理由、教員と職員との協働についての意見、事務分野ごとの教員と職員との関係の違い、能力開発における企画力と日常事務処理能力との関係、能力開発のための有効方策すなわち大学院修士課程、研修、専門資格の付与に関する意見、勤務大学における能力開発制度の現状と回答者の制度利用の有無、自己啓発努力の有無などを質問肢に加えた。 寄せられた回答は、自由記述を含めて詳細に分析し、次年度の研究のための基礎資料とすることにしている。
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