この研究は、国立大学の法人化や18歳人口の減少に伴う学生確保の困難化、知識社会の到来による大学への新たな期待の増大など、大学をめぐる管理運営および経営環境の急激な変化の中で、これからの大学の管理運営および経営を担う人材、とくに学長・副学長クラスのトップレベルの人材のほかに、部長・課長等の中堅事務職員にも注目し、その能力養成と養成した人材の活用方策について研究を行い、彼らが真に大学経営に必要な人材になること、すなわちエンプロイヤビリティー(雇用されうるための必要かつ適切な能力)を高めるための方策を明らかにすることを目的とする。平成19年度は以下の点に留意して研究を進めた。 1.平成18年度に全国の大学の事務職員に対して行った大規模アンケート調査の結果にもとづき、大学事務職員のエンプロイヤビリティーに係る最新かつ具体的なニーズの実態を分析し、論点を整理する。整理した論点に従い、エンプロイヤビリティーを向上させるための諸方策についてとりまとめた。 2.とりまとめた研究成果を発表し普及させるために、東京で模擬授業およびシンポジウムを開催し、大学事務職員のエンプロイヤビリティーの向上方策についてその知識の普及を図るとともに、大学の管理運営および経営の改善ならびにその人材養成のための各種教育プログラム開発、実践の参考となる諸情報を発信した。
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