研究概要 |
1)今年度の海外調査をオーストリア,イタリア,連合王国において実施し,EUの教育プログラムを実施する各国のナショナル・エージェンシーおよびコメニウス・プロジェクトを実施中の学校を訪問し,実施状況についてインタビューおよび資料収集をおこなった。また,EUの生涯学習研究センターであるCRELL(イタリア)では,EUの政策に関連するインタビューと資料収集をおこなった。 2)3回の国内研究会を実施し,これまでの研究を集約するとともに学習会「小国からみた欧州-フィンランドの事例から」(講師:渡邊あや氏・熊本大学准教授)を催し,北欧の状況について理解を深めた。 3)日本比較教育学会におけるラウンドテーブル「EUの教育政策-グローバリゼーションへの抵抗か,追従か,それとも先導?」の企画・実施や,日本社会科教育学会における「EUにおける学校教育プログラム『コメニウス』の実現過程に関する研究-ドイツにおける実態調査を中心に-」を始めとして,日本政治学会,日本国際政治学会で研究発表をおこなった。 以上を含め,3年間の研究の総まとめとして最終報告書を作成し,ヨーロッパ統合という歴史的プロジェクトにおいて,EUと加盟国の教育政策が果たす機能を具体的に論じる基盤を構築することができた。
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