研究課題/領域番号 |
17330183
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研究機関 | 駒澤大学 |
研究代表者 |
片岡 栄美 駒澤大学, 文学部, 教授 (00177388)
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研究分担者 |
門脇 厚司 筑波学院大学, 情報コミュニケーション学部, 教授 (80015924)
天童 睦子 名城大学, 人間学部, 准教授 (50367744)
小玉 亮子 横浜市立大学, 大学院・国際総合科学研究科, 准教授 (50221958)
中井 美樹 立命館大学, 産業社会学部, 准教授 (00241282)
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キーワード | 教育戦略 / 子育て / 階層 / 受験 / 私事化 / 子育て支援 / 親 / 公共性 |
研究概要 |
平成19年度は、3歳〜中学3年生の子どもをもつ親(父母)に対して18年度に実施した大規模調査データを社会学的視点から詳細に分析し、報告書の刊行のほか、調査結果報告ホームページを公開した。本研究の特徴は、社会学的な理論と方法を用いて、親の意図的・無意図的な教育戦略を「階層性」「公共性」「私事性」「信頼」などの視点から分析した点にある。一般化できる精度の高いデータ分析から親の教育戦略の階層間格差と私事化の進行を明らかにするとともに、親たちの、学校教育や教師、教育改革(ゆとり教育や学校選択制、学力競争など)に対する意見やそれを支える親自身の価値観、ハビトゥスを明らかにした。例えば6割の親がゆとり教育見直しを肯定、知識重視の教育を肯定するももの、同時に親の7割は、学校での学力競争を否定していた。さらに子どもの学校の先生を信頼する親は約8割で、教師への信頼感は高いものの、教師を信頼する親ほど、学校に要望を出していた。さらに親の子育て不安意識や小中学校受験に対する意見、地域とのかかわり方など、親の教育戦略の実態と意識を、学校、教師、地域のレベルとの関連で分析した。また子育ての困難性や子育てニーズの特徴についても、その社会文化的な背景(経済資本、文化資本、社会関係資本)と教育問題の出現メカニズムを社会意識との関連について理論的・実証的に検討し、現代の家族と教育、地域社会の課題を明らかにした。主な分析結果は、現代の教育問題は学力の経済格差や階層間格差だけにあるのではなく、子どもを学力競走に駆り立てるか、否かという親の価値観の分化、さらには学校教育(公教育)への信頼と不信の問題と関わっているといえる。
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