研究分担者 |
鈴木 誠 北海道大学, 高等教育機能開発総合センター, 教授 (60322856)
人見 久城 宇都宮大学, 教育学部, 准教授 (10218729)
池田 文人 北海道大学, 高等教育機能開発総合センター, 准教授 (60333647)
大鹿 聖公 北海道教育大学, 教育学部, 准教授 (50263653)
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研究概要 |
最終年度となる19年度は次の4点の研究を行った。 1 諸外国の理科教育についての調査 ニューヨーク州では,小学校4年生と中学校2年生を対象とする学力テストが実施されている。これはペーパーテストだけではなく,パフォーマンステストを含んでいる。これまで,このテストについての目的,実施状況,課題開発の経緯,学校における教員の受け止め方などについて,調査を行ってきた。今年度もバッファローにおいて州立大学と市教育委員会でインタビュー調査を行った。これについては「ニューヨーク州におけるパフォーマンステストを含む科学の学力テストに関する研究」として成果を投稿(査読中)している。 2 パフォーマンスを取り入れたポートフォリオ評価法の実践的研究 本科研では,主として諸外国の理科教育,とくにパフォーマンス評価に注目して,調査を行ってきたが,ここでは,日本における現行の学習指導要領下での実践について検討した。中学校1年生の生物分野でのパフォーマンス課題を導入した場合の,生徒の学習達成状況を多面的に把握し,これをどのように評定に結びつけるかを具体的に提案した。 3 資料の収集 アメリカで使われている授業関連の資料を,全米教師教育学会への参加等を通して多数入手して,その一部をポートフォリオ評価法や教材開発のため検討した。 4 成果の公開とまとめ 得られた知見に基づき,8月に行われた日本科学教育学会第31回年会において自主企画課題研究「海外における理科教育におけるパフォーマンス加地あの実施状況とその課題」を実施し,アメリカ,イギリス,フランスの理科教育におけるパフォーマンス課題の開発や実施状況を中心に,研究成果を発表した。また,調査の途上で研究協力を始めたアリゾナ州立大学からは2名の研究者がこの発表に参加した。これらをもとに,現在日本の理科教育の教育課程に適したパフォーマンス課題の開発を検討している。これらの知見の一部は報告書に記載するとともに,次年度以降,引き続き研究を継続していく予定である。
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