研究課題/領域番号 |
17330189
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
寺井 正憲 千葉大学, 教育学部, 教授 (50272290)
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研究分担者 |
首藤 久義 千葉大学, 教育学部, 教授 (20113897)
伊坂 淳一 千葉大学, 教育学部, 教授 (60184454)
鈴木 宏子 千葉大学, 教育学部, 助教授 (80272293)
佐藤 宗子 千葉大学, 教育学部, 教授 (40162490)
加藤 敏 千葉大学, 教育学部, 教授 (30214373)
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キーワード | 古典教育 / 古典学習材 / 古典学習指導法 / 古文教育 / 漢文教育 / 古典読書 / 教養教育 |
研究概要 |
本年度は、古典学習材、学習指導法の開発研究に関わって、以下の3点のことを行った。 1.小学校における古典の学習指導の可能性を探るべく、千葉大学教育学部附属小学校5年生に対して、千葉県の地域教材である『南総里見八犬伝』を取り上げ、児童用図書(青い鳥文庫『八犬伝』)を学習材として使い、読書指導の方法であるアニマシオンやブックトート、原文の音読なども行うことによって、小学生の子どもたちに古典の世界を広げる読書指導を行った。子どもたちからは、古典の世界に興味を持ち、いろいろな古典作品も読みたいというような感想が出され、価値のある成果が得られた。 2.古典学習材の開発として、古文に関しては、古典和歌を素材として取り上げ、構造論の視点から歌集の歌の配列を学習材化することによって、和歌の内容を主体的に読み取り、言葉を手がかりに想像力を働かせるとともに、日本人が培ってきた美意識の体系に触れることなどが可能になるとの知見が得られた。また、漢文に関しては、従来既存の解釈に収斂させる読解指導によって、生徒たちの読みの可能性を排除し、古典への興味、関心を逓減させている実態を踏まえ、孟浩然の漢詩を取り上げ、生徒たちの感性に訴え、批判に耐えうる学習材化することの必要性や、新たな読みの可能性を提示しそれを広げていけるような学習指導方法の提案などを行った。 3.研究会・シンポジウムを開催し、小・中・高における開発的な学習指導の授業実践の報告、千葉市こども狂言による児童・生徒による狂言の実演、古典文学研究者である櫻井陽子・古典語の研究者である伊坂淳一・古典教育の研究者である内藤一志らによるシンポジウム、日本国語教育学会会長の倉澤栄吉の講演などを通して、新時代における教養教育としての古典教育の在り方に関する多面的な視点や情報が提供され交流された。
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