研究分担者 |
福本 謹一 兵庫教育大学, 学校教育学部, 教授 (80165315)
山田 芳明 鳴門教育大学, 実技教育研究指導センター, 助教授 (80363175)
相田 隆司 東京学芸大学, 教育学部, 助教授 (20302903)
谷口 幹也 九州女子大学, 人間科学部, 講師 (30335830)
一條 彰子 東京国立近代美術館, 企画課, 主任研究官 (40321559)
|
研究概要 |
平成18年度は,平成17年度の取り組みの上に立ち,科研課題である「知の統合力」を,子どもたちの美的経験,生活の中で蓄積される知恵,各教科での学び等,さまざまな力を包括的に認識するための足がかりとなる言葉と位置づけ研究活動を行った。研究手法としては,「鑑賞のダイナミズム」を念頭におき,学校が抱える問題,教師の問題意識を基点とした鑑賞実践を行い,授業目標,授業の成立過程そのものの考察を帰納的に行うように留意した。研究の内容としては主に次の3点である。 1,新たな実践の展開:実践的研究については昨年度より取り組んでいるが,本年度は新たに公立の小学校及び中学校の実践者の協力を得られたことが,研究を推進する上で大きな収穫であった。一つ目は,東京国立近代美術館での公立中学校の2年生と美術教員,解説ボランティアによる実践であり,二つ目は大阪の国立国際美術館での公立小学校の5年生とその担任による実践である。昨年度実施した二つの実践がいずれも国立大学法人の附属小学校の実践であったことからして,これらの実践は大変貴重な資料である。そして三つ目は,筑波大学附属小学生と図工専科教員による実践である。 2,フォーラム「直島で考える」の開催:直島の地中美術館の学芸員の協力を得てフォーラムを行った。子どもたちにとっての鑑賞の意味を問うことの必要性を前提に,大人自身が子どものように無垢にアートの世界を体験することの必要性を再確認する。 3,海外視察の実施:研究分担者が10月30日から11月7日までニューヨーク,ボストン,シカゴを訪問し,アメリカの美術館が主宰する学校プログラムの視察を行った。 また,研究実績として,第29回美術科教育学会金沢大会における西村による研究発表1件,前述した研究の成果を平成18年度研究成果報告書『SoVA2006鑑賞のダイナミズム-子どもが変容する学びとは-』の発行が挙げられる。これらの研究発表,報告書等によって,学校教育・美術館教育によって子どもが変容する学びに資する教育的なアプローチについての知見を示すことができた。
|