研究課題/領域番号 |
17330200
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研究機関 | 東京学芸大学 |
研究代表者 |
岡 典子 東京学芸大学, 教育学部, 准教授 (20315021)
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研究分担者 |
中村 満紀男 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (80000280)
米田 宏樹 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 講師 (50292462)
佐々木 順二 聖徳大学, 人文学部, 講師 (20375447)
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キーワード | アメリカ合衆国 / 20世紀 / 公立学校 / 特殊学級 / インクルーシブ教育 / 統合 / 排除 / カリキュラム |
研究概要 |
本研究は、今世紀における教育の国際的規準であり、共生社会実現の教育的手段でもあるインクルーシブ教育について、その本質を明らかにするため、インクルーシブ教育主導国のひとつであるアメリカ合衆国を対象として、インクルーシブ教育の理念的・制度的・方法論的出発点である20世紀特殊学級の成立と展開の過程ならびにその教育的意味について歴史的観点から解明することを目的とする。本年度は、昨年度に続き、都市間および障害種別による横断的視点から分析を進めるとともに、20世紀特殊学級の本質と特徴、到達点と限界を整理するため、インクルーシブ教育との異同という観点を踏まえつつ、以下の課題についても検討を行った。 (1)シティズンシップの獲得条件と特殊学級教育:各障害種別の特殊学級がもつ教育目的・内容・方法は、それぞれの障害種に対する社会的認識と受容のあり方に大きく依拠していた。たとえば、視覚障害の特殊学級においては、盲人のシティズンシップの獲得条件として、晴眼者との日常的な交流機会や競争環境の確保が重視された。 (2)特殊学級と入所施設・寄宿制学校の比較検討:特殊学級と入所施設・寄宿制学校は、どのような関係性にあったのか。特殊学級関係者によって展開された寄宿制批判とその根拠、両者間の協力・相互補完、そして緊張関係について、障害種別に基づいて比較検討を行うことにより、それぞれの障害種で特殊学級に求められた機能とその実態を明らかにした。 (3)特殊学級が達成した教育的、社会的、経済的意義と残された課題:特殊学級をめぐる言説について、教育的・社会的・経済的意義の観点から今日のインクルーシブ教育と比較検討を行った。
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