最終年度である、平成19年は以下の実践を行なった。1.軽度発達障害児のためのグループソーシャルスキルプログラムの作成および試行による効果測定、2.ソーシャルスキル尺度の標準化のためのデータ分析。 1については、18年度の実践成果をもとに小学校低学年用、小学校中学年用、小学校高学年用の3つのモデルプランを作成した。これは、授業でクラス全体に対してソーシャルスキル教育を行なうのと併行して、放課後ターゲット児童に対して、スクールカウンセラーと教員が協力して行なうモデルである。この内、中学年用を都内小学校3年生に対して実施し、効果の分析を行なった。このモデルの特徴は、固定したプログラムを実施するのではなく、基本プログラムをもとに、活動結果のクラスのアセスメントに応じていくつかの選択プログラムから選ぶものである。クラスのみでの実践とクラスおよび小グループの組み合わせプログラムの効果を比較したところ、併用した場合の方が、小グループに参加した児童のみならず、クラス全体への定着度が高かったことである。併用による相互作用の要因分析を現在行なっているため、結果が出次第、本年度、学会発表の申請を行なう予定である。 2については、学童期の発達障害児のデータ収集は終了し、150項目から30項目に絞り込む作業に入っている。中学生については明確な診断を受けているデータ数が不足しているため、引き続きデータ収集を行なったうえで標準化に入る予定である。
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