1.鹿児島聾学校、鹿児島大学と連携した離島、僻地の幼児、児童、生徒および保護者への遠隔教育支援の実施 遠隔指導として、離島の一般学級に在籍する難聴児2名に対して筑波技術大学教員がリテラシー向上のための指導を多数回実施した。また離島の通級指導教室の児童に対して、鹿児島市内の聴覚障害教育経験が豊かな教員が、テレビ会議システムによる遠隔指導を行った。児童間の交流として、離島の難聴児どうし3名がテレビ会議システム上で交流を行った(3回)。この交流は、指導において障害認識の導入として扱われた。遠隔教育相談は3件について実施した。対象者は、離島に在住する難聴1歳児の保護者、離島の一般中学に在籍する難聴生徒と保護者、僻地の通級指導教室を経て一般高校に在籍する難聴生徒であった。教員支援として、聾学校教員が離島の通級指導教室担当教員に対してテレビ会議システムにより専門的知識を供与した。また大学、聾学校、離島の通級指導教室を結んだ遠隔地間テレビ会議を毎月1回実施した。内容は本プロジェクトの実施に関わることがらが中心であったが、教育方法や教材、あるいは児童生徒の状況に関する教員間の情報交換も頻繁におこなわれた。この他、筑波技術大学教員が聾学校教員に対して聴覚障害教育に関する遠隔講座を2回実施した。この講座では鹿児島大学教育学部学生もテレビ会議システムを介して同時に受講した。 2.聾学校および特別支援学級教員との間の研究協議会の実施 鹿児島聾学校において鹿児島県離島、壁地域の支援に関する研究協議会を実施した。参加者は、筑波技術大学、鹿児島大学、鹿児島聾学校、鹿児島県の3箇所の離島域通級指導教室、鹿児島県の5箇所の通級指導教室であった。この協議会では、これまで離島、僻地の難聴児童、生徒を対象に実施した指導、支援の経過確認、各校からの取り組みの報告、21年度からの取り組みの方向性について検討した。
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