研究課題/領域番号 |
17340003
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
庄司 俊明 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 教授 (40120191)
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研究分担者 |
川中 宣明 大阪大学, 大学院・情報科学研究科, 教授 (10028219)
篠田 健一 上智大学, 理工学部, 教授 (20053712)
行者 明彦 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 教授 (50116026)
有木 進 京都大学, 数理解析研究所, 准教授 (40212641)
岡田 聡一 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 教授 (20224016)
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キーワード | Ariki-Koike algebra / cyclotomic q-Schur algerbra / 分解定数 / 積公式 / フォック空間 / cellular algebra |
研究概要 |
複素鏡映群に付随したヘッケ環でAriKi-Koike algebraから得られる、cycltomic q-Schur algebraのmodular表現を大学院生の和田君の協力のもとに研究した。Cyclotomic q-Schur algebra Sはcellular algebraの構造を持つ。これを利用することにより、Sのsubalgebraとそのquotient Algebraが得られる。Quotient algebraは分解定理が成り立ち、より小さいタイプのcyclotomic q-Schur algebraのテンソル積の直和になる。このことからSの既約表現に関する分解定数についての積公式が得られる。これらの結果は以前に元大学院生の澤田君との共同研究で得られていたが、今年度の研究で、これらの事実の大幅な一般化が得られた。前の理論では、Sのsubalgebaはひとつだけだったが、今回の設定では、与えられたSに対して多くのsubalgebraが考えられ、そのおのおのに対して分解定数の積公式が得られた。したがって、積公式を適用できるケースが大幅に増大した。 一方、cyclotomic q-Schur algebraの分解定数がUglovによる高階のフォック空間におけるstandard basesとcanonical basesとの間の遷移行列から得られるというYvonneの予想力がある。この予想が正しければ、我々の公式も、フォック空間の対応物を持つはずである。実際、この考えに従って研究を進め、フォック空間の2つの基底の遷移行列の係数に関する積公式が得られた。フォック空間での計算は、何故、積公式が成立するかという理由をはっきり示すものであり、興味深い結果である。フォック空間での現在の議論は大雑把なものであり、それをさらに精密化することによって、より精密な積公式が得られると期待される。 また、cycltomic q=schur algebraでの議論を抽象化し、ベキ等元分解を持つcellular algebraの理論として再構成することができた。これにより議論が見通しのよいものになるばかりでなく、subalgerba-quotient algebraの構造を持つ実例が得られた。
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