研究課題/領域番号 |
17340005
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
中島 啓 京都大学, 大学院理学研究科, 教授 (00201666)
|
研究分担者 |
石井 亮 広島大学, 大学院理学研究科, 助教授 (10252420)
吉岡 康太 神戸大学, 大学院理学研究科, 教授 (40274047)
|
キーワード | インスタントンの数え上げ / Donaldson不変量 / 壁越え公式 / プレポテンシャル |
研究概要 |
Donaldson不変量との関連を吉岡とLothar Gottsche(研究協力者)と共同研究を行い、さらに引き続き望月拓郎も加えて研究を続けた。 4次元多様体の上のインスタントンのモジュライ空間を考え、その上の自然なコホモロジー類を積分するものがDonaldson不変量であるが、b_+=1のときには、不変量はリーマン計量に依存する。二つのリーマン計量に関するDonaldson不変量の差を与えるのが壁越え公式であるが、これがNekrasovのインスタントンの数え上げの母関数で書けることを平成18年度に証明した。(ただし階数が二のときに限る)これに引き続いて、K理論版のDonaldson不変量についての考察を行った。インスタントンのモジュライ空間の場合には、コンパクト化に現れる特異点のために不変量の定義をどのようにしたらいいのか分からなかったが、複素射影曲面に限ると、代数幾何的なコンパクト化上の直線束のオイラー標数を考えることができるので、これを定義として性質を調べた。 1.Nekrasovの数え上げの母関数については、Seiberg-Wittenプレポテンシャルが同じ微分方程式を満たすことを証明して、母関数の主要項がSeiberg-Wittenプレポテンシャルに等しいというNekrasov予想をK理論版のときに証明した。 2.さらに、もともとのDonaldson不変量のときと同様に壁越え公式を導出した。 さらに、望月拓郎の協力を得て、階数が高い場合の考察を行い、階数に関する再帰的な壁越え公式を証明し、それがやはりNekrasovの分配関数で与えられることを証明した。
|