研究分担者 |
森 重文 京都大学, 数理解析研究所, 教授 (00093328)
中山 昇 京都大学, 数理解析研究所, 助教授 (10189079)
中村 郁 北海道大学, 理学研究科, 教授 (50022687)
蔵野 和彦 明治大学, 理工学部, 教授 (90205188)
吉岡 康太 神戸大学, 理学部, 助教授 (40274047)
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研究概要 |
1.永田型不変式環に対するVerlinde型公式 2次元加法群の線形作用の不変式環について次の二つの場合がよく研究されている. (1)次数差1の方程式対から導かれるもの. (2)永田がHilbertの第14問題の反例構成に用いた作用で群が2次元の場合. 前者については内藤弘嗣が環としての生成系を決定し,内藤と代表者が次元公式を与えた(2005年).後者に関しては,Casteravat-Tevelevが生成系を決定しているが,今年度はVerlinde公式を使って,(2)の場合のレベルに関する次元公式を求め,(1)の場合とよく似ていることを観察した. 2.3次元ファノ多様体内の曲線のHilbert概型 指数2の3次元ファノ多様体内の曲線のHilbert概型が生成的に非被約な成分をもつことを,余次元1部分多様体の極付き無限小変形を使って証明した.応用として一般の代数曲線(種数5)から一般の3次元3次超曲面へのHom概型も生成的に非被約な成分をもつことがわかる.(分担者那須弘和と代表者の共同研究) 3.前項に関連して一般の代数曲線から射影空間や2次超曲面へのHom概型を調べ,前者が生成的に非特異であることを示した.また,後者に関してはHom概型から曲線のPicard多様体への自然な射を考え,その期待次元が零の時の次数を求め,それが直交Lie環のある既約表現の次数に一致することを観察した. 4.Enriques曲面の自己同型はホモロジー群への作用が自明なとき数値的に自明という.金銅によって発見されたこれの新しい例を組織的に調べることによって分類定理の(limit argumentに頼らない)新しい証明を与え,9月の名古屋大学での研究集会「Moduli, Compactifications and related Topics」で講演した.
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