研究課題/領域番号 |
17340009
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
竹田 雄一郎 九州大学, 大学院・数理学研究院, 准教授 (30264584)
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研究分担者 |
田口 雄一郎 九州大学, 大学院・数理学研究院, 准教授 (90231399)
朝倉 政典 九州大学, 大学院・数理学研究院, 助教 (60322286)
佐藤 栄一 九州大学, 大学院・数理学研究院, 教授 (10112278)
中島 徹 日本女子大学, 理学部, 教授 (20244410)
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キーワード | レギュレーター写像 / 代数サイクル / ポリログ関数 / ポット・チャーン形式 |
研究概要 |
昨年度までは、キューブとそのポット・チャーン形式を用いてレギュレーター写像を研究していたが、その方法では計算可能な具体例を構成することが困難であるということがわかった。したがって、今年度から、代数的サイクルを用いたレギュレーター写像の研究を開始した。 Goncharovは、代数的サイクル上の積分を用いて、高次チャウ群からDeligneコホモロジーへの写像を構成したが、それがレギュレーター写像に一致することは証明しなかった。代数サイクル上の積分を具体的に計算することによってレギュレーター写像を研究する、という本研究の目的のためには、あらかじめこの一致を証明しておくことは必要不可欠である。したがって筆者は、その一致を証明することを目標に研究した。そして、高次チャウ群に関するLevineの研究にアラケロフ幾何学の手法を組み合わせることにより、その証明の枠組みを作った。だが、その証明は大変長く、その詳細に関して調べるべきことがたくさんあるので、完全な証明を完成させることはできなかった。来年度にはそれが完成すると思われる。 また、Goncharovによる代数的サイクル上の積分を特別なサイクルに対して計算することによって、ポリログ関数が現れることがわかった。この結果は、これまでに指摘されてきたレギュレーター写像とポリログ関数との関係を、新しく説明するものであり、また、Goncharovの写像が本当にレギュレーター写像を与えることの状況証拠にもなっている。それから、その結果を用いて、代数体のレギュレーター写像に関するZagier予想の別証明を与えることができた。
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