研究概要 |
同変チャーン類(あるいはトム多項式)理論の整備として,代数幾何的アプローチと微分トポロジー的アプローチの2系統を進めている.とくに,商スタックおよび一般のアルティン・スタックに関するチャーン・マクファーソン自然変換理論の展開を進めている.また,トム多項式の一般化としての同変セグレ類理論について,具体的な計算方法を含めて,研究を進めている. とくに,17年度においては,トム多項式理論に関する研究(1,2)、および自然変換理論に関する研究(3.4)の基礎的部分に関して研究を進めた.複素解析幾何学的アプローチ(局所化),複素曲線のモジュライへの応用(変曲点理論と写像類群)は後年に予定している. 1.多重写像芽の分類空間(カザリアン)について,マザー理論(写像の特異点理論)を基礎に再構成することを試みた. 2.トム多項式の一般化としての同変セグレ類に関して,具体的な特異点型あるいは構成的関数に関して考察した. 3.J.シュアマン(独ミュンスター大)および與倉昭治氏(鹿児島大)の「ヒルツェブルフ特性類およびモティビック・チャーン特性類」の「同変ヴァージョン」について検討を始めた.これは代表者の同変チャーン変換とエディディン・グラハムの同変リーマン・ロッホ理論を融合するものとなるはずである. 4.一般のアルティン・スタックに対して,ジョイスらによる構成的関数理論,クレッシュによるチャウ・ホモロジー理論が与えられている.これを基礎にしてチャーン自然変換理論を検討した.
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