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2008 年度 実績報告書

WZWモデルと3次元多様体

研究課題

研究課題/領域番号 17340014
研究機関東京工業大学

研究代表者

吉田 朋好  東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (60055324)

キーワードWZWモデル / 3次元多様体 / 共形場理論 / 量子不変量 / Hitchin system
研究概要

ゲージ対称性を持った共形場理論におけるいわゆる「レベルのシフト」をHitchinシステムの枠組みでどう捉えられるのかという問題について、研究代表者はHitchinシステムにおける、プリム多様体の族から平坦接続のモヂュライ空間への写像の1点逆像から得られるベクトル場を、プリム多様体の族の上の複素直線バンドルの正則切断の空間に作用する微分作用素に持ち上げることにより、「レベルのシフト」が自然に導かれることを示して解決した。「レベルのシフト」を幾何学的枠組みから示したものとしてこれは初めてのものである。また同時にこの微分作用素から共形ブロックのなすベクトル束の射影接続が得られることも示した。これらの結果を用いて研究代表者は共形ブロックの基底を具体的にテータ関数とテータ零値を用いて表示する結果を得た。これはおよそ2年前のことであるが、その当時は対称性のみを指針として式の形を求めることに終始していた。その後研究代表者は共形ブロックの基底を表すこれらの式に含まれる項の幾何学的解釈を明らかにすることに努め、最近になってほぼ全容が明らかになって来た。これはレベルを無限大にしたいわゆる古典極限を考える上において本質的な情報を与えるものである。今年度得られた結果の最も顕著なものは、上記の研究で得られた共形ブロックの基底が準古典極限をとることにより、レベル無限大の極限において曲面の表現空間内のラグランジアンに台を持つデルタ超関数に収束することを明らかにしたことである。テータ関数の性質を用いて2重極限を考えるもので方法論的にも興味があるものである。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Holomorphic vector fields and perturbed extremal K"ahler metrics, .2008

    • 著者名/発表者名
      A. Futaki
    • 雑誌名

      J. Symplectic Geom. Vol. 6, No. 2

      ページ: 127-138

    • 査読あり
  • [雑誌論文] On a construction of the twistor spaces of Joyce metrics2008

    • 著者名/発表者名
      N. Honda
    • 雑誌名

      J. Algebraic Geom. Vol. 17

      ページ: 709-750

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Double solid twistor spaces : the case of arbitrary signature.2008

    • 著者名/発表者名
      N. Honda
    • 雑誌名

      Invent. math. Vol. 174

      ページ: 464-534

    • 査読あり
  • [学会発表] An asymptotic behavior of basis elements of conformal blocks of SU(2)WZW models in the large level2009

    • 著者名/発表者名
      吉田 朋好
    • 学会等名
      Low dimensional topology and number theory
    • 発表場所
      Fukuoka Soft Research Park Center, JAPAN
    • 年月日
      2009-03-20

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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