研究分担者 |
小島 定吉 東京工業大学, 大学院・情報理工学研究科, 教授 (90117705)
相馬 輝彦 首都大学東京, 大学院・理工学研究科, 教授 (50154688)
作間 誠 広島大学, 大学院・理学研究科, 教授 (30178602)
河澄 響矢 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 准教授 (30214646)
遠藤 久顕 大阪大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (20323777)
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研究概要 |
大鹿と相馬は,Minskyにより開発された,曲線複体のhierarchyの概念を拡張したbug-infested hierarchyの概念を構築し,これによりhierarchiesの列の幾何的極限を定義した.Bug-infested hierarchyは幾何的極限のmodel manifoldをup to quasi-isometryで一意的に定め,これにより,quasi-Fuchs群の幾何的極限を特徴付けし,等長類を完全に分類することに成功した.大鹿はさらにこの理論を応用して,Bers sliceのself-bumpingの起こらない点の十分条件を与えた.一方相馬は幾何的極限の分類を元にMinskyのending lamination定理の後半部分に幾何的な別証を与えた. 作間はShackletonと共同で,曲線複体の3次元版である結び目のSeifert曲面に関する垣水複体についての研究を進め,複体の基本的な性質,直径の上界を結び目の種数の2次関数で与えることなどについて考察した.遠藤はKotschickと共同で,曲面の写像類群のquasi-homomorphismについての研究を続け,写像類群の元はquasi-homomorphismによって,分離されないことを示した.河澄はモジュライ空間上のある関数を定義し,その第一変分,第2変分を計算することにより,Arakelov-Green関数によって誘導される相対バンドルのChern形式とJohnson同型をホロノミーにもつ平坦接続がリーマン面の普遍族に誘導する微分形式とを関連づけることに成功した.
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