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2007 年度 実績報告書

モジュライ空間の大域的構成

研究課題

研究課題/領域番号 17340018
研究機関九州大学

研究代表者

長友 康行  九州大学, 大学院・数理学研究院, 准教授 (10266075)

研究分担者 山田 光太郎  九州大学, 大学院・数理学研究院, 教授 (10221657)
伊藤 光弘  筑波大学, 数理物質科学研究科, 教授 (40015912)
大仁田 義裕  大阪市立大学, 理学研究科, 教授 (90183764)
田崎 博之  筑波大学, 数理物質科学研究科, 准教授 (30179684)
高山 茂晴  東京大学, 数理科学研究科, 准教授 (20284333)
キーワード反自己双対接続 / ベクトル束 / モジュライ空間 / 四元数多様体 / リー群 / ツイスター空間 / コホモロジーの消滅定理 / 調和写像
研究概要

今年度は昨年度に研究した写像が全測地的部分多様体となる場合の考察を進め、既約型の全測地的写像に関しての分類定理を得た。この定理において、ある積分公式を導くことに成功し、その値は終集合であるグラスマン多様体の次元を決定するものである。特に複素射影直線に関しては非分解型の全測地的写像が既約型であることを上述した定理と球関数の理論のベクトル束版を構築することにより示すことができた。これにより、複素射影直線の場合には全測地的部分多様体が決定できたことになる。
また、以前に四元数ケーラー多様体からグラスマン多様体へのツイスター写像を定義して、これが調和写像となることを示し、またPenrose変換を利用してツイスター写像がツイスター空間からグラスマン多様体への正則写像と対応することを示したが、今年度はさらに、この写像が全測地的であることも示すことができた。
「ツイスター切断の幾何学」に関しては論文がTransactions of the A.M.Sに掲載される予定であり、また調和写像に関する結果は論文を準備中である。
また、この類似をコンパクト対称空間上でも展開し、ほとんどのコンパクト型の既約対称空間において、全測地的部分多様体の組を発見した。この組はベクトル束の切断と深く関係するものである。また、この組と切断を用いてある関数を構成し、グラスマン多様体上ではこの関数が等径関数となっていることを示した。これは球面上では定義できない型の関数である。さらに、この関数が部分多様体の族を与えるが、このうち唯一つの等位面集合が極小部分多様体であることを示すことにも成功した。
同様のことをAI型といわれる対称空間で考え、今度は構成された関数が等径関数ではないことを示した。ところが、この揚合、もうひとつ独立な関数を構成でき、このふたつがベクトル空間に値をもつ等径関数となっていることを示せた。驚くべきことにこのもう一つの関数も等径関数ではないにもかかわらず、その等位面集合のひとつが極小部分多様体を与えることも証明できた。
最後に、四元数ケーラー多様体の典型的な例である四元数射影空間において、ツイスター切断の零点集合の補集合とツイスター切断が生成するキリングベクトル場の零点集合の補集合との共通部分に超ケーラー多様体の構造が入ることを示すことができた。四次元のときは、単に平坦な超ケーラー構造を与えるだけなのだが、高次元になると様相が異なる。この超ケーラー構造は自然にトーラス作用をもつので、この運動量写像による商多様体も興味深い対象であると考えられる。

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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